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成田翔、フレッシュオールスターで立ち返った初心――女房役と交わした言葉【マリーンズ浦和ファーム通信#41】

7/19(水) 14:30配信

ベースボールチャンネル

 プロ2年目の成田翔が、7月13日フレッシュオールスターゲームに出場した。5回1イニングを無失点に抑えた。

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■好投を支えた堀内のリード

 なんとも懐かしい感じがした。プロ2年目の成田翔投手は7月13日、静岡の草薙球場で行われたフレッシュオールスターゲームに出場した。静岡駅に着き、オールイースタンのチーム宿舎からバスに乗り込むと、隣の席にイーグルスの堀内謙伍捕手が座った。その瞬間、成田は嬉しそうに笑顔を浮かべた。

「謙伍とは同じ年です。高校ジャパンで一緒になって、それからよく話をするようになりました。プロに入ってからはメールぐらいでしかやり取りがなかったから、なんか懐かしいです」

 そして、球場入りするまでのしばしの間、いろいろなことを語り合った。プロ入り2年間のお互いの苦闘を語り合あった。試合での出番は0-0の5回に訪れた。マスクを被ったのはその堀内。投げる前、ベンチで「ストレートとスライダーで抑えよう」と話し合った。

 先頭の石岡(ドラゴンズ)をストレートで追い込むと最後は縦に落ちるスライダーで空振り三振。続く近藤(ドラゴンズ)もストレートで追い込み、最後も内角直球で空振り三振に切ってとった。曽根(ホークス)にこそ右中間二塁打を打たれたが、後続の大山(タイガース)を力強い内角直球で一邪飛。マウンドでポンとグラブを叩き、会心の笑顔を見せた。

「良かったです。自分なりの投球ができたと思う。堀内の存在も大きかった。懐かしいというかやりやすいというか。プロ入りする前の初心を思い出すことができたような気がする」

 そう言ってロッカーに戻ってきた成田は今まで見たことがないような笑顔を見せてくれた。そしてタオルで顔をぬぐうと、「やっぱり野球っていいなあ。楽しいなあ」と口にした。思えば秋田商業高校からドラフト3位でマリーンズ入りした昨年のルーキーイヤーは思うようにいかない日々だった。ファームで未勝利のまま迎えた8月には体重は一時、6キロほど落ちた。左ひじも炎症を起こし、ノースロー調整を余儀なくされるなど結局、二軍で1勝も挙げることができずにシーズンは終了した。「1年目から一軍で投げて活躍したい」。入団会見で力強く抱負を語っていた若き左腕にとっては悔しい1年目となってしまった。


■次は互いに一軍の舞台で

 体力、肉体を強化をして迎えた2年目はイースタンリーグの前半戦で12試合に登板をして初勝利を含む2勝。防御率は3.32という数字を残した。1年目はプロの壁を痛感して自信なさげなマウンドさばきも見られたが、今はもう自分のボールに手ごたえを感じている様子がはっきりと見てとれる。だから、選ばれたフレッシュオールスターの舞台でも「3者三振を狙いたい」と力強く語っていた。

 試合後、宿舎への帰りのバスも堀内の隣に座った。「ナイスボール」。友からそう祝福されると、少し照れながら応えた。静岡高校からプロ入りした堀内もまた1年目は2月のキャンプで骨折をするなど出遅れ、一軍出場はなし。わずか13試合の二軍戦出場にとどまっていた。お互い高校時代に甲子園を沸かせ高校ジャパンではバッテリーを組み、将来の夢を語り合った。思い描いたようなサクセスストーリーこそ描けてはいないが確かな手ごたえをつかみつつある。

「(成田)翔の良さはキレのあるストレート。それも、しっかりと打者のインコースにストレートを投げられること。そして消えるようなスライダーです。だから、試合でもそれをうまく使って打者を抑えようという話をしたのです」

 高校時代の自信に溢れ投げていた成田を知る女房役は、だからそのストレートとスライダーの二つでリードし、特徴でもある内角ストレートを基軸にした。その結果、三振2つとファウルフライという結果を出した。成田はマウンドでそのサインを確認しながら高校時代の自分に戻っているような感覚に陥っていた。そして改めて自分の投球スタイルと向き合った。フレッシュオールスターはとても貴重な時間となった。

「次は一軍で対戦しよう。一軍の舞台で真剣勝負をしよう」

 宿舎に戻ると成田と堀内は健闘を誓い合い、再びそれぞれの道を歩み始めた。しばしの再会で、1試合だけチームメイトとして過ごした。それでも共に過ごした時間は有意義で中身の濃い時となった。野球ファンは二人が華やかな一軍の舞台であいまみえることを期待している。そして次はオールスター、侍ジャパンというステージで再びチームメイトとして共にバッテリーを組むことを夢見ている。それはまだ先のこと。だけど決して夢物語ではない。そう感じさせる静岡の夜だった。


千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章

ベースボールチャンネル編集部