ここから本文です

巨万の富を引き寄せる「積み重ね」という日常力

7/19(水) 8:30配信

Forbes JAPAN

年齢を重ねたビリオネアたちの人生には、 長い道のりを踏み外さずに歩いてきたからこその 流儀がある。何が富を引き寄せたのか。



世界長者番付6位のカルロス・スリム(資産額545億ドル)と269位のクリスト・ヴィーサ(資産額56億ドル)のストーリーから、その秘訣を探っていく。

父の教えを今に伝える「12歳の出納帳」

メキシコの通信王、カルロス・スリムは、レバノンからの移民の息子だ。幼いころから父親には、資金管理についてみっちり仕込まれた。週に5ペソの小遣いをどう使うか、出納帳をつけてどう管理するか……。

その後、母親から5000ペソを借りて12歳で投資を始めたスリムは、26歳までにその資産を40万ドルにまで増やした。スリムはいまも父の教えを守っており、当時の出納帳はオフィスの本棚に並んでいる。

スリムは、メキシコの国家財政が経済破綻した際に国有企業を次々に買収、それをテコにラテンアメリカをはじめ世界の通信会社を次々に傘下に収めて富を蓄積した。ランキング上位に名を連ねるようになってからも生活はまったく変わっていないと話す。40年前から同じ家に住んでいるし、車は1990年代前半のブルーサンダーバードを自ら運転する。ただし、ここ数年はガードマン付きでメルセデスに乗ることも多い。

貧困との闘いをビジネスのテーマに挙げ、慈善では貧困は撲滅できないと考えている。「票の行方を気にする政治家よりも、ビジネスのほうが容易に社会問題を解決できる」と話す。

傘下の複数の企業によって基金を創設し、まずは教育によって「人的資源」を生みだすべきと、デジタルツールの教育への導入や、デジタル図書館の創設などに取り組んでいる。自身のコレクションを収め、亡くなった妻の名を冠した美術館も、無料で開放している。


メキシコの通信王、カルロス・スリム

「せこい」を貫き、世界30カ国を制す

「クリストはせこいやつだよ」

南アフリカの小売王クリスト・ヴィーサは、ビジネス上の右腕をしてそう言わしめるほどの筋金入りの倹約家だ。ビリオネアになってなお、愛車のレクサスSUVには小銭を貯めたビンがいつも乗っている。この部下にプレゼントとして贈った最高級シャンパンは、別の人物からヴィーサへの送り状が付いたままだった。

ヴィーサは、南アフリカで食料品チェーン「ショップライト」と衣料品大手「ペップ」を経営し、世界30カ国に9000もの店舗を展開。家具チェーン「スタインホフ」はヨーロッパ、アメリカ市場へ進出している。

南アフリカ北部、カラハリ砂漠に近い内陸の街、アピントンの出身。「働き者できちんとした人間しか生きていけなかった」とヴィーサは言う。

ステレンボッシュ大学で法律を学んだヴィーサは、弁護士やダイヤモンドの採掘業などを経て、1981年、アパルトヘイト(人種隔離)政策の時代に小売業界に本格参入した。ターゲットは貧しい白人、そして差別の対象となっていた黒人たちだった。アパルトヘイト撤廃で、南アフリカへの経済制裁が解除されると、同じ低価格路線でアフリカ各地に店舗を増やした。

ヴィーサのビジネスは、無駄なものを徹底的に取り除き、可能な限り低価格で、底辺の人々が必要としているものを販売するというもの。「せこい」といわれるほどコスト管理に細かいヴィーサだからこそ、薄利多売でこれだけの富を築くことができたのだ。

Forbes JAPAN 編集部

最終更新:7/19(水) 8:30
Forbes JAPAN

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Forbes JAPAN
2017年11月号

株式会社アトミックスメディア

2017年11月号
9月25日(月)発売

890円(税込)

成功のヒントはフォーブスにあり!
Forbes JAPAN 無料会員に登録すると、すべての記事が読み放題。MY PAGEで記事の保存や閲覧履歴チェック、限定プレゼントへの応募も可能に。