ここから本文です

<前編>株式会社タムロン | WOMAN'S CAREER

7/20(木) 10:00配信

就職ジャーナル

WOMAN'S CAREER
<前編>株式会社タムロン

今回の取材先 株式会社タムロン
デジタル一眼レフカメラ用レンズなどのコンシューマ(消費者)向け製品から、監視カメラ用レンズユニット、OEM製品(他社ブランドの製品)に至るまで、高い研究開発力に支えらえた高品質な商品を提供している株式会社タムロン。遠赤外線カメラ用レンズやドローン用レンズ、車載用レンズなどの新たな産業分野に向けた製品も開発しており、“光学”を強みとした独自の地位を確立している。
うすい・よしえ●CSR推進室。東京都出身。41歳。学習院大学法学部政治学科卒業。社会人になってから法政大学大学院環境マネジメント研究科修了。損害保険会社、CSR経営コンサルティング会社インターンを経て、2007年に株式会社タムロン入社。現在、夫と1歳の息子と3人暮らし。
環境経営を学び、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)推進活動を担当している薄井さん。メーカーだからこそ感じるCSRの重要性とは何か、話をうかがいました。

■ 興味がある分野に進もうと、環境経営を学んだ

-大学卒業後から株式会社タムロンに入社するまでのご経歴を教えてください。

学生時代は、出版社や映画配給会社などメディア領域を中心に就職活動をしていましたが、狭き門に入ることができずに断念。「まずは社会に出て働かなくては」と、一般職で損害保険会社に就職しました。損害保険請求者への示談交渉を担当し、目の前のお客さまの役に立っているという手ごたえがありました。ただ、残業続きの業務に加え、多様な商品について勉強し続けなくてはいけない環境に疲れてきてしまって…。「勉強は、自分が本当に学びたいと思えなければ続かない」という当たり前のことに気づきました。ではどんな分野に興味があるのだろうと考えた時、出てきたのが環境経営でした。

 

学生だった1997年に京都議定書(地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減率を国別に定め、共同で約束期間内に目標値を達成しようというもの)が採択されたのですが、当時からそのニュースに強く関心を持っていました。「国家規模や文化的背景がまったく異なる各国が、どのようなプロセスを経て数値を達成していくのだろう」と自分なりに調べていると、温室効果ガスの削減などの国際的な課題に対して、企業が取り組むために必要な法規制、経済学、経営学などの知識や、「組織が設定した環境方針や目標を達成するための、計画や体制、プロセス」を指す環境マネジメントシステムについて、大学院で学べると知りました。

 

そこで、6年間勤めた損害保険会社を退職し、夜間の大学院に入学。通いながら、CSR経営コンサルティング会社でインターンとして働かせてもらいました。2004年当時、日本企業がちょうど取り組み始めたCSRについて、机上でも実践でも学ぶことができた有意義な時間で、これがキャリアのターニングポイントになりました。

 

-タムロンへの入社のきっかけは何でしたか?

大学院で学んだ知識を生かした仕事をしたいと、CSRの業務にかかわるポジションでの転職を考えていた際、「(タムロンが)CSR推進室のメンバーを募集している」という情報を転職サイトで目にしました。父がカメラ好きだった影響で、タムロン製のレンズが家にあり、親近感があったこともきっかけです。何より、CSRの立ち上げの時期から携われることに引かれ、入社を決めましたね。

 

■ ものづくりの奥深さに触れ、CSRを通じた広報活動の意義を実感

-CSR推進室で担当してきた仕事内容を教えてください。

まずは、環境問題への社員の意識向上のために、年に2回の「環境教育」の場で講義を担当しました。ごみの分別の徹底を呼びかけたり、地球温暖化の影響について勉強したりと、内容は基本的なものでしたが、「会社として環境保全活動に積極的に取り組んでいく」という姿勢を全社に浸透させることが大きな目的でした。ほかに、法改正に基づいた会社の対応方法を考えたり、CSR報告書を作成したりと、環境マネジメントを主としたさまざまなCSR関連業務を担当。2015年にはフロン回収・破壊法の改正、フロン排出抑制法の施行に合わせて、当社機器に含まれるフロンを管理できるように、管理方法を決め、現場での協力の下、運用を開始しました。

 

フロンはオゾン層を破壊する物質とされているもので、冷蔵庫やエアコンなどで冷媒として使われています。メーカーとして、このフロンを適正に管理し廃棄する必要があることから、当社で管理している機器にどのフロンが含まれているのかを把握しなくてはいけません。国内の工場で扱う機器の種類、個数をすべてリストアップし、フロン類の算定漏えい量を算出するという地道な活動も、環境マネジメント業務の一つです。

 

-株式会社タムロンのCSRだからこそ、大切にしていることはありますか?

ものづくりを担うメーカーとして理想的なのは、「お客さまが“いいな”と自然に思って買ったものが、実は環境にもいいこと」だと思います。材料を小型化し軽量化することは、一見、環境問題に関係ないように思えます。でも、商品を運送する際、小さいものの方が運送負担は減り、運送にかかるエネルギーを節約できるので、結果的に地球に優しい商品となります。当社の商品は、家電などと比較すると環境への影響は少ないかもしれませんが、「新商品が売れれば売れるほど、従来商品より環境にいい」という商品を求める意識は持ち続けたいと思います。
タムロンは、私にとって初めての「メーカー」企業。当初、カメラレンズ一つがお客さまの手元に届くまでの、かかわる人の多さに驚きました。開発、設計、品質保証の担当者、工場で働くスタッフ、宣伝、営業まで、一人ひとりが商品の細部にこだわり抜き、絶対にいいものを作るんだという思いの熱さに感動しました。ものづくりの裏を知り、「これだけのプロフェッショナルが集結して商品を作っているのだから、私は業務を通じてCSRの広報として情報発信していこう」と気持ちを新たにしました。

 

■ 薄井さんの入社後のキャリアグラフ

これまでご紹介した薄井さんの社会人1年目からのキャリア、現在に至るまでのプライベートにおける「心の充実度」の変化を、ご自身にグラフにしていただきました。

2011年3月11日に発生した東日本大震災を機に、節電対策の一環として「残業ゼロ」が全社的に徹底されるようになった。定時の17時20分には退社し、帰宅後の時間に余裕が生まれた。

 

2016年1月から1年4カ月間の産休・育休を経て時短勤務復帰した薄井さん。後編では、両立の工夫やこれからのキャリアについて話をうかがいます。

→次回へ続く

(後編 7月21日更新予定)

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

最終更新:7/20(木) 10:00
就職ジャーナル

記事提供社からのご案内(外部サイト)

就職ジャーナル 金融ビジネス読本

リクルートホールディングス

2016年1月12日発行

定価 450円(税込)

就職ジャーナルの姉妹サイト「リクナビ」は、
大学生のための企業情報が満載のサイトです。
1年生からご利用できます。