ここから本文です

育児の常識は時代によって変わる!『祖父母手帳』監修の医師が語る課題

7/20(木) 8:11配信

Wedge

変わらない常識はごく基本的なこと

――育児について誰に聞いていいのかわからないことも多いし、「知らないことを知らない」ことも意外に多そうです。

森戸:育児を教える人がいないんですよね。医者に聞かれても子育てしていない医者もいっぱいいるし、医者は子育てを教える人ではなくて病気の専門家ですからね。基本的には、医者は病気の予防と治療、助産師はお産、保育士は預かっているときだけ、学校は教育機関。育児を習う場所ってないのでは。

――「個人の子育てに無暗に口出ししない」という意識もあるのだと思います。

森戸:思い込みのアドバイスではなく、正しい情報を元にした適切な指導を行う場所があるといいですね。ひどい事件があると「こんな人が親になるなんて」って言われがちですが、産んだら自動的に親としてのスキルが身にわけではないですから。最近の高校の家庭科の教科書には、「子どもにはこんな特性がある」とか、「子どもの洋服の選び方」とか、子どもの福祉や権利に関しても書いてあります。こういう教育を男女両方にしてくれると、いい家庭人になると思うのですけれど。

――教育を受けないまま大人になった人も多い。

森戸:個人的には、保育園に子育てのトレーニングとして預けるという方法もあると思います。なにをどうやって食べさせるとか、寝かしつけはどうしたらいいのかとか、誰もが感じる子育ての不安について情報共有の場としてあっていい。いろんな人と話すことが大事です。「母親教室」やイクメンではなく“いくじい”のいる地域もあるようですね。

――20年前と今では育児の常識が違う。ということは、現代の育児の常識も20年後にはガラッと変わるかもしれません。20年後もこれは変わらないだろうという常識はあるものでしょうか?

森戸:本当に基本的なことですね。お腹が空いたら母乳かミルクをあげなさいとか、抱っこは大事、赤ちゃんと目を合わせることは大事。オムツはちゃんと替えましょう。生物的に必要なものは変わらないでしょうね。アレルギーについては難しくてまだわかっていないことが多いです。先進国で増えているけれど、なぜ増えているかがまだわからない。

――20年後には判明しているかもしれませんね。ありがとうございました。

* * *

今回のポイント
・ネットの情報鵜呑みや個人の見立ては危険
・母子手帳はまだまだ改善が必要?
・育児中の親が情報共有できる場を

小川たまか (ライター・プレスラボ取締役)

4/4ページ

最終更新:7/20(木) 8:11
Wedge

記事提供社からのご案内(外部サイト)

月刊Wedge

株式会社ウェッジ

2017年10月号
9月20日発売

定価500円(税込)

■特集  がん治療の落とし穴 「見える化」で質の向上を
・玉石混交のがん治療
・質を競い合う米国の病院
・効果不明瞭のまま際限なく提供される「免疫療法」の〝害〟