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青森の夏に乾杯!「納涼ビール列車」のロングシートで味わう車内宴会レポ

7/20(木) 8:10配信

@DIME

 青森県の弘前と黒石を結ぶ弘南鉄道弘南線。普段は地域の重要な足として活躍する路線だが、年に3回行われるイベント列車が「アットホームで熱い!」と話題の路線だ。今回は今月に行われている「納涼ビール列車」の模様を弘南鉄道全面協力で密着レポート。前半はイベント列車の準備編、今回の後編はイベント本番の様子をレポートしよう!

 まず、弘南鉄道と弘南鉄道イベント列車について少しおさらいから。弘南鉄道は2つの路線を持ち、今回イベント列車が走行するのは弘前駅と「つゆ焼きそば」で有名な黒石駅の約17キロを結ぶ弘南線だ。今年で開業90周年を迎え、弘前市を中心に岩木山の車窓に眺めながら走る地域に密着した私鉄路線。そんな中、年に3回複数日にイベント列車が企画され、例年2月には郷土料理「けの汁」を味わう「けの汁列車」、7月には生ビールを楽しむ「納涼ビール列車」、そして12月には「忘年列車」が企画され話題になっている。

 元々は地元の人が中心に集まっていたが、現在では首都圏や関西から駆け付ける乗客もいるそうだ。どの列車もアルコールをはじめ飲み放題で折り詰めとおつまみが用意されるだけでなく、お楽しみ抽選会やカラオケまで完備というとてもユニークな列車になっている。

 さて始発駅となる弘前駅にはビール列車に乗る乗客たちが大勢待機!ほぼ定員いっぱいの予約とのことだ。受付を済ませると乗車券兼お楽しみ抽選用の券を受け取り、改札へ。この日の青森は気温がかなり上昇しまさにビール日和。吸い込まれるようにイベント列車の車内に入ってゆく。乗車時間は約2時間となっており、通常よりゆっくりと走る。

 車内には臨時のビールサーバーが備え付けられ、ビールジョッキも完備。さらに出発前に「ジョッキに氷をいれて冷やしておきます」という徹底ぶり。

 こちらのイベント列車、基本的には弘南線で普段活躍する列車と同じ車体の通勤タイプの電車を使っている。しかもこの車両、元々は東京の東急電鉄で活躍していた7000系という車両で、もしかしたら見たことがあったり、中には実際に通勤の足で乗ったことがある人もいるかと思う。座席も当時のままの通勤仕様の「ロングシート」。座り慣れたロングシートに腰かけながらジョッキ片手に大宴会をする、これぞある意味最高の贅沢と言えるかもしれない。さらに昨今、愛煙家にとっては生きづらい世の中ではあるが、このイベント列車、車内で喫煙OK!通勤電車の中でビール片手に一服、どうですかこの不思議な感じ!

 さて弘前駅を出発すればいよいよ宴会スタート!車内いたるところで乾杯の声とジョッキを合わせる音が鳴り響く。なお、この車両にはクーラーがないが窓が開く。夏の夕方、列車の窓から入る走行風がなんとも心地よい。窓の外には暮れゆく空に名峰岩木山。ああ、至福の時だ。

 こちらのビール列車、もちろんビールをはじめ飲み物類は全部飲み放題!ビールのほかは焼酎に日本酒、ハイボールまであり、ソフトドリンクも完備。ビールはアサヒスーパードライを約100リットル搭載している。飲み放題となると気になるのが「おトイレ事情」だが、通勤タイプの車両ということでトイレはないものの、途中駅や折り返しとなる黒石駅での長時間停車兼トイレ休憩タイムがあるのでご安心を。

 この日のコースは弘前駅発着で黒石駅までを一往復するコース。乾杯からしばらくたつとお楽しみ抽選会がスタート!地元企業から寄せられた景品が当たる名物企画だ。終点黒石に到着し、しばしのトイレ休憩ののち黒石駅を出発すると、車両後方の司会の社員さんが「では帰りは車内の雰囲気を変えたいと思いま~す!」と一言。次の瞬間、車内の明かりが消され青と白のLEDライトがスイッチオン!一気にパーティー感がぐっと増した車内となった。ちなみにこの内装も社員さんの手作りによる仕事だ。ライトアップと同時に車内カラオケのリクエストが入る。車端部にはスポットライト完備のオンステージ(ミキサーも搭載)が、車両の中間にいても連結部にマイクがある上に、このビール列車から車両中間部にもカラオケ用の液晶モニターが増備され車内どこの座席に座っていても快適にカラオケを楽しむことができるハイテク車両に進化した!

 クーラーがないこの列車、暑い時には窓を開けて風に当たるのが一番だが、暗い外に明るい車内という条件で気になるのが虫の侵入。実はこれも「対策をしている」と弘南鉄道の担当さんが語る。「実はイベント本番前に試運転を行った際に、車内の行燈を付けると虫が入りやすくなるというデータが上がりました。そこで行燈を消して走行してみると不思議と虫の侵入が減ったんです。」乗客が心から楽しむためにこういった細かな配慮がとてもうれしい。

 あっという間の2時間で終点弘前へ。夜風に吹かれながらの至極のいっぱいに乗客はみんな満足そう。残念ながら今夏のビール列車は全て満席になってしまい、次回は12月に行われる忘年列車と来年2月のけの汁列車がイベント列車の運行予定になる。予約は1人から可能で、弘南鉄道公式ホームページに、忘年列車は10月ごろ、けの汁列車は12月ごろ(運転日のおおよそ二か月前から開始)に申し込み要項が掲載される。手作りであたたかい弘南鉄道イベント列車に会いにぜひ弘前へ出かけてみよう。ロングシートで味わう車内宴会のお酒の味はきっと格別のはずだ。

取材・文/村上悠太

@DIME編集部

最終更新:7/20(木) 8:10
@DIME

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