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エプソン、28万円の高価格時計に込めた勝算

7/20(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 7月19日、プリンタ大手セイコーエプソンは自社での腕時計の新ブランド「TRUME(トゥルーム)」を立ち上げると発表した。

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 今回発表したのは男性向けの高機能なソーラー発電式のアナログ針時計。GPSや気圧・高度、方位といったセンサーを盛りこんだほか、一部機種には温度や紫外線、歩数を計測する別端末が付属。Bluetoothで時計本体と通信できる機能を備える。

 価格は24~28万円(メーカー小売希望価格、税別)。9月28日より家電量販店などを中心に順次販売していく計画だ。

■セイコーに高機能時計を供給してきた実績

 会見したエプソンの碓井稔社長は「エプソンにしか作れない、エプソンならではの腕時計がある」と意気込みを語る。

 現在でこそプリンタやプロジェクターなどで有名なエプソンだが、祖業は腕時計の製造だった。

 同社の前身は1942年に創立されたセイコーホールディングスの腕時計用の部品を製造する会社。1944年に腕時計用部品を製造するセイコーインスツルがエプソンのおひざ元・諏訪に戦時疎開し、1959年にその一部をエプソンが譲受したという歴史を持つ。

 そのため現在もセイコーに、ぜんまい式の時計ながらクオーツ並みの精度を誇るスプリングドライブや、GPS電波の受信と太陽光充電を組み合わせたGPSソーラー時計の「アストロン」など数多くの高機能時計をOEM供給している。

 エプソン自身も、2012年からスポーツウォッチを、2014年から電子ペーパーを使った時計を販売。また経営難に陥った機械式時計で有名なオリエント時計を2009年に完全子会社化、今年4月からは吸収合併し、販売のテコ入れに乗り出している。

 今回、エプソンが発表した時計はさまざまなセンサーや機能を搭載したソーラー発電式時計。搭載機能に違いはあれど、外観や価格帯はセイコーの「アストロン」やシチズンの「アテッサ」に近い。

■スマートウォッチとは一線を画す

 すでに機械式のオリエント、自社ブランドのウエアラブル時計を擁する中で、今回はOEM提供で培った技術や、オリエントの販売網などを生かせる高機能アナログ時計を投入し、製品ラインナップに幅を持たせた格好だ。

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