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「ストレスは悪いもの」は思い込み? 心身にダメージを与えるストレスを”力”に変える方法

7/20(木) 6:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 人が人生のライフイベントから受ける“ストレスの度合い”について、数値化することを試みた研究がある。調査によれば、最もストレスの度合いが高い要因は「配偶者の死」、二番目は「会社の倒産」、三番目は「親族の死」とされている(出典:夏目 誠・村田 弘ほか(1998).勤労者におけるストレス評価法 産業医学30,)。

 私たちの心は“外からの刺激”を受けて反応し、感情や思考が生まれる仕組みをもっている。だが“刺激”となるストレスフルな出来事や逆境は予期せぬタイミングで訪れ、それを回避することは難しい。

 そこで最新科学の知見にもとづき、ストレスを“力に変えるための具体的な方策”を提唱している『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』(ケリー・マクゴニガル:著、神崎朗子:訳/大和書房)をひもといてみた。著者は心理学者であり、サイエンス・ヘルプのリーダーとしても世界的に注目されているマクゴニガル博士だ。

 本書はまず、ストレスに対する私たちの思い込みをくつがえすような調査結果から始まる。1998年、アメリカで3万人の成人を対象にストレスに対する調査が実施された。8年後に追跡調査を行ったところ、“「ストレスは健康に悪い」と考えていると死亡リスクが高まる可能性”が示されたのだ。

 人は自分の“主観”(思い込み)によって、考え方のみならず体の状態まで生理的に変化してしまう。マクゴニガル博士は、ストレスに対する考え方次第で、その人の健康状態から生き方まで、さまざまなことが左右されると推測した。ストレスを“自分にとって大切なものが脅かされたときに生ずるもの”と定義し、過去30年間の科学的研究や調査内容を調べ、新世代のストレス研究者たちの意見を訊き、それらの根拠や知見をふまえて、ストレスを力に変えるエクササイズを考案することを思い立つ。

 たとえば「ストレスを見直すエクササイズ」では、ストレスを受けたとき、自分は“体や心にどのような反応が表れるタイプなのか”を振り返り、その反応がもたらす効果を表を用いて整理する。

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