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貸金などの法定利率、3%へ 思わぬ影響が多方面に

7/21(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 Case:14 前回のコラム「飲み代のツケ、まだ請求可能? 『原則5年』改正民法」を読み、友人に貸した50万円と、ツケの飲み代の20万円の消滅時効はよく理解できました。時効になる前に請求するつもりですが、手間もかかるので、せめて利息を請求できないかと考えています。50万円の貸金の借用証はありますが、残念ながら利息のことは書いていません。ツケのほうは書面すらありません。このような場合でも「利息は請求できる」と助言する人がいますが、本当ですか。また、利息そのものについても民法の規定が変わると聞きました。あわせて教えてください。

■利息と遅延損害金の違い

 利息とは金銭などの使用の「対価」として、金額と期間とに比例して一定の割合(利率)で支払われる金銭を指します。個人間のお金の貸し借りでは、「支払う」という約束事があってはじめて利息が発生します。一方、期限までに支払わない場合に付加されるのが遅延損害金です。これは金銭債務の不履行の場合、期限を超過したことで債権者に対し債務者がペナルティーとして支払わなければならない金銭で、こちらについては当事者間で定めがなくても、民法で当然支払うべきだと定められています。遅延損害金のことを一部で「遅延利息」と呼んでいることもあり、利息と遅延損害金を混同している人もいるようです。この機会にきちんと理解しましょう。
 貸金を例にとって説明します。2017年7月20日、AさんはBさんに、1年後の18年7月19日に返してもらう約束で50万円を貸しました。仮に契約で利息が2%と定めてあれば、1年後に1万円を利息として付ける必要があります。期限どおりきちんと返済したとしてもこの1万円は必要です。しかし、利息について何も定めがなければ利息は発生しませんので、BさんはAさんに1年後、50万円だけを返せばよいことになります。「法定利率(後述)の5%を請求できるのではないか」と質問する人が少なくないのですが、これはできません。相談のケースも借用証に利息の定めがないので、利息の請求はできません。
 一方、18年7月19日を過ぎてもBさんが返済しない場合に付加される金銭が遅延損害金です。契約で利率が定めてあればそれに従うことになりますが、利息とは異なり、遅延損害金に関しては、契約に何も定めがなくても民法で年5%の損害金が付加されることになっています。Bさんの返済が期限より1年遅れて19年7月19日になったとすると、遅延損害金として2万5000円が加算されます。
 これは飲み代のツケ、つまり飲食代でも同じで、支払期限が定めてあれば、それ以降の支払いには民法によって5%の遅延損害金が付加されることになるわけです。実際には飲食代の場合、その場で現金で払うか、ツケでも比較的短期の支払期限になるので「利息」を付けることはほとんど考えられないとは思います。また、期限が定められていない場合にも相手に「17年8月31日までにお支払いください」などと支払期限を定めて催告すれば、17年9月1日以降は遅延損害金を請求することができます。
 さらに、商取引については定めがなくても利息が付加され、その利率は利息も損害金も年6%となります。

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最終更新:7/21(金) 7:47
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