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業界売上6兆円割れに。百貨店不況の一番の原因は何なのか?

7/21(金) 12:00配信

BEST TIMES

「今さら聞けない」ニュースのキーワードについて、「分からないことはなんでも聞いちゃう」いまドキの社会人、トオルくんとシズカちゃんが第一人者の先生たちに話を聞いていきます。

●百貨店不況とアパレル不況

トオル…最近、百貨店が不振というニュースをよく聞くなあ。でもこの前、百貨店の前を通りかかったら建物の周りに中国人観光客がいっぱいいたよ。「かなり賑わってるなー」と思ったんだけど、僕自身はほとんど行ったことないんだよね。

シズカ…私もほとんど行かないわ。お母さんはたまに行ってるみたいだけど。「百貨店不況」ということだと、確かに郊外の百貨店はどんどん閉店しているみたいね。今の百貨店業界って一体どうなっているんだろう? 

トオル…専門家の人に聞いてみようよ! たまたまこないだ、『誰がアパレルを殺すのか』という本を読んだんだ。業界の関係者に「ここまで聞くの?」という話も取材していて読み応えがあったなあ。著者の「日経ビジネス」杉原淳一記者なら、百貨店のリアルな情報を掴んでいるかも! 聞いてみようよ。

シズカ…そうしましょ! でもちょっと待って、アパレルと百貨店って関連性があるのかしら。

杉原…大いにありますね。実は百貨店の売上のなかでアパレルが占める割合は約3割。他の商材と比べて非常に大きな割合を占めています。ですので、このアパレルが売れなくなると百貨店の売上は非常に厳しくなります。そして、実際に百貨店ではアパレルが売れなくなっています。

トオル…3割! 数字を聞くとあらためてアパレルの存在の大きさを感じます。

シズカ…では、百貨店業界全体の売上も下がっているんでしょうか? ? 

●実は百貨店の落ち込みは今に始まったことではない! 

杉原…はい。百貨店の売上はバブル崩壊後から顕著に落ちていますね。ピーク時にあった約10兆円の売上は、年間数千億単位で落ちています。百貨店不況は今に始まったことではありません。実はもう数十年間「右肩下がり」の状態なのです。

シズカ…でも、近年は中国人観光客の「爆買い」もありましたよね

トオル…おっ、そういうの「インバウンド需要」っていうんだよね! 

杉原…インバウンド需要で主に売れているのは、化粧品や時計・宝飾品、家電、雑貨などです。雑貨等の売上が伸びるのはありがたいものの…やはり大きな割合を占めるのはアパレルです。アパレルが振るわなければ長期的に売上高をキープし続けるのは容易ではありません。そして、昨年百貨店業界に象徴的なことが起きました。

トオル…え、何だろう。

杉原…百貨店業界の2016年の売上がついに6兆円を割ったのです。これは、およそ36年ぶりの出来事。実際に、大手百貨店が発表した2016年度の決算を見ても軒並み不調ですね。

トオル…でも、この前通りかかった銀座の三越とかは外目にも結構賑わっていたけどなー。

杉原…百貨店業界全体の売上が右肩下がりになるなかで、奮闘しているお店もあります。反対に限界を迎えつつあるお店も増え、明暗がはっきり分かれてきたのです。ここ1~2年で閉店したお店を調べると「そごう・西武」の店が目立ちますね。また、特に地方のお店は厳しい状況が続いています。各社で売上や利益の下がり幅に差はありますが、業界的に右肩下がりになっているのは事実です。

シズカ…やっぱり、百貨店が不況である事実は間違いないんですね。

トオル…そしてその原因としてアパレル不況という状況がある。

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