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WWF報告書、温暖化対策は食生活の見直しから

7/21(金) 11:18配信

オルタナ

英WWF(世界自然保護基金)は、新たに「地球の平均気温の上昇を2℃未満に抑える――健康で持続可能な食事」という報告書を発行した。同報告書によると、赤身肉の消費を減らすなど、最低限の食生活の改善によって、2030年までに温室効果ガスの排出を30%削減することができるという。(翻訳・編集=梅原 洋陽:オルタナ/Sustainable Brands Japan)

同報告書のタイトル「地球の平均気温の上昇を2℃未満に抑える」は、パリ協定が掲げる目標「産業革命前からの地球の平均気温上昇を2℃未満に抑える」に由来している。

全世界の二酸化炭素の直接排出量の20%は食糧と農業分野から排出されており、土地利用の変化も計算に入れた場合、直接排出量は30%に上昇する。汲み上げられた淡水の約70%が農業や灌漑に利用され、農業が世界の森林破壊、生物多様性の喪失の主要な原因となっている。食生活や生産方法を変えることで、食品の生産から消費までのフードシステムの環境負荷を大幅に減らせる。

英WWFのダンカン・ウィリアムソン食糧政策マネージャーは、「私たちが口にするもの、そしてその食糧の生産方法は、地球全体に影響を与える。食生活を改善し、フードシステムの生産効率を向上させることで、私たちの食べるものが環境に与える影響を激減することができる。パリ協定が拘束力を持つ現在、私たちは二酸化炭素排出量を減らす義務がある。私たちが何をどれくらい食べ、そしてどれくらい廃棄しているかは、地球温暖化対策のために重要だ」と語る。

健康で持続可能な食事のための6原則

この報告書では、1日あたり最低5種類の果物や野菜、週に2回の魚、そして1日当たり最大70グラムの赤肉や加工肉を食べることを推奨、食品の生産から消費までに排出される二酸化炭素の量を削減する方法を提案している。

・より多くの植物を食べること
・さまざまな食品を摂取すること
・食品廃棄物を減らすこと
・赤身と脂身をバランスよく食べること
・MSC(海洋管理協議会)認証や、フリー・レンジ(放し飼い)、フェア・トレードなどの信頼できる食品を購入すること
・脂肪や塩分、砂糖が多い食べ物の摂取を減らすこと

新たな「健康で持続可能な食事」の定義には、二酸化炭素の排出量に加えて、水の使用量や土地に与える環境負荷への配慮も含まれる。さらに大豆や豆類、ナッツ類、油用種子などの肉の代替品や養殖魚の消費を増やすこと、そして赤身や脂身、加工肉の消費を減らすことも言及している。

初期の「健康で持続可能な食事」は18~64歳の成人を対象に定められていたが、新たな定義は、10~17歳までの青少年、65~85歳までの高齢者、ヴィーガン(完全菜食主義)それぞれへの推奨事項を含んでいる。

ウィリアムソン氏は、「大切なことは、この報告書について、多くの人がさまざまな意見を交わすことです。私たちの目標は、政策立案者の考え方に影響を及ぼし、英国政府に、『持続可能』というキーワードを常に政策の中心に置いた、健康的な食生活のためのアドバイスを展開するよう圧力をかけることです」と語った。

「サステナブル・ブランド ジャパン」より転載

最終更新:7/21(金) 11:18
オルタナ

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