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自分史を人に読んでもらう「作品」にする10のテクニック

7/21(金) 20:10配信

サライ.jp

文/柳澤史樹(自分史活用アドバイザー)

全5回、駆け足で自分史を書くポイントをお伝えしてきました「気軽に書ける自分史講座」も、今回で最終回。今日はいよいよ、自分史を人に読んでもらう「作品」にするための、ちょっとしたコツをお伝えします。

前回までの【気軽に書ける自分史講座】はこちら

思いを込めて作り上げたあなたの軌跡を、人に読んでもらう喜びは何にも代えがたいものになるはず。自分の人生ストーリーを描く作家気分で、ぜひチャレンジしてみてください。

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まずは「分かりやすい文章」を書くための4つのコツです。「分かりやすさ」は、あなたの自分史を誰かに読んでもらうために、最も大事な部分となります。

でも気をつけてほしいのは、作文や国語のように「正しさを競うものではない」ということ。それを気にしすぎて、自分が楽しめないというのでは本末転倒です。

文章に苦手意識のある人は、先にまず書いてしまい、その後で以下のようなポイントをチェックしつつ、分かりやすい文章に調えていくのがよいでしょう。

(1)文体を統一する

「ですます調」か「である調」か。自分の体験なら「ですます調」が一般的、意見や論文、報道的であるといった客観性の強い文章なら「である調」が向いています。

(2)文は短く

これはライターである私自身も心がけているポイント。長ければ長いほど読み手の負担になります。つい長くなってしまう人は、一旦書いてみて、その後不要なところを削ぎ落とすのがオススメ。

(3)句読点を適切に打つ

これもとても大事なポイント。ただし句読点は音読のためのものではなく、言葉と言葉のつながりを分けて読みやすくするためのものです。

とは言いながら、一回書いた文章を音読するのは、つながりを確認するのに役立ちますので、ぜひやってください。

(4)漢字ひらがなのバランスを調える

昨今はパソコンで自分史を書く人が多いので、自分で書けなくても、変換機能で出されるので、つい漢字を多くなりがち。私も気をつけなければと、日々感じています。

漢字は3~4割、かな6~7割が理想的なバランスです。また名詞と動詞は漢字に。接続詞、形容詞はかなです。

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さて、ここからは自分史を読ませるコツの部分。これができると物語要素が強くなり、人をひきつける自分史が書けるようになりますよ!

(5)「説明」ではなく「描写」で。

自分に起きたできごとを説明するのではなく、情景を描写するように書いてみましょう。読者が読んで、その光景が頭のなかに浮かんでくることを意識することが生き生きとした文章を書くコツです。

(6)「自分だけの当然」を省略しない。

よく陥りがちなポイント。作者にとっては当たり前のことでも、読者にとっては知らないことはよくあります。これは無意識にやってしまうので、他者に読んで確認してもらうことが重要です。

(7)「時代」と「場所」を意識する。

これも他者にしっかりと情景を理解してもらううえでのポイント。できるだけ具体的に時代と場所を書き込むクセをつけましょう。情景にリアリティと臨場感が出ます。

(8)「自慢史」にしない

つまらない自分史、退屈する自分史の典型例が「自慢史」です。気持ちは分からなくもないですが、作品として読者を楽しませたいと思うなら、このポイントは外せません。

作品にしたいなら、読み手を意識したキャッチボールを心がけてください。そして文章を書いたら、それが読者にどんな情報を与え、どんな反応をするのかを想像し、その反応に応えるように次を繋げていくと、読者をどんどん引っ張ることができます。

(9)自分しか書けないことを誰にもわかるように書く

もちろん「自分史」ですから自分のことを書きたいのは当然ですが、どのようにそれをオリジナルにするか。ポイントは視点と切り口。

「現在の自分」なら、過去の結果を客観的に書けるし、「過去の自分」として書けば「こう感じた」「こう思った」と言い切れます。

またその事柄が「自分にとってどう影響したのか」という切り口、「自分がしたことの影響は?」という切り口によって書き方は変わりますよね。

(10)事実と意見、感想を分ける

最後はこれです。事実と意見を分けることにより、メリハリが生まれてきます。意識してやってみてください。

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以上、自分史を人に読んでもらう「作品」にするための、ちょっとした10のコツをご紹介しましたが、いかがでしたか?

自分史作成のノウハウについては、まだまだお伝えすることが山ほどあるのですが、ひとまず今回はこれで一つの区切りとさせていただきます。これらのポイントを踏まえつつも、とにかく楽しみながら書くこと、そして客観的な立場で読んで編集してくれる人がいるとベストです。

たとえば私のような自分史活用アドバイザーは、聞き書きライターとして取材、あなたの代わりに執筆もしくは編集のお手伝いもしながら、みなさんが自分史を「作品」として仕上げます。自分史作成のパートナーとしてお役立ていただきたいと思います。

まだまだ私も自分史について勉強することは多く、その深さと自由度に大きな希望を感じています。ぜひみなさんも一緒に、この魅力ある世界へチャレンジしていただければと思います。

※一般社団法人「自分史活用推進協議会」では、自分史作成サポートのほか、出版や拡散の方法などのご相談、私のような自分史活用アドバイザー養成講座も開催していますので、ぜひご活用ください。

文/柳澤史樹
フリーライター/ 自分史アドバイザー。歴史を楽しむ情報サイトや企業ファンサイトのマネージメント、ビジネスコンセプトやコピーの執筆、多数の著名人取材などの他、現在は一般社団法人 自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザーとして、個人の軌跡を残す「自分史」を活動の軸とする。2016年暮れ、地元横浜から相模原市緑区へ引越し、農的暮らしと執筆生活の両立へシフトチェンジ中。8月7日(月)の「自分史の日」には、ラドンナ原宿でイベント「ターニングポイント」を開催予定。

最終更新:7/21(金) 20:10
サライ.jp