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同級生はアイドル、副主将は女子。異色の高校野球部・大阪学芸とは?

7/21(金) 11:20配信

webスポルティーバ

 7月15日に行なわれた高校野球大阪大会1回戦で、大阪学芸は今宮工科のエースの前に自慢の打線が沈黙。3対0で勝利したものの、もどかしい展開に、小笹拓監督も「いやぁ、夏はやっぱり厳しいです」とあらためて”大阪の夏”の難しさを実感した。「一戦必勝で甲子園。バッティングには自信があります」と意気込んでいた主将の田中俊成も、「こんなに打てなかったのは初めてです」と首をかしげた。

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 大阪桐蔭、履正社の2強に注目が集まっている大阪で、ダークホース中のダークホースとして期待されているのが大阪学芸だ。春季大会で堂々のベスト8。敗れた試合でも、昨年秋の覇者・上宮太子に善戦するなど、夏への期待を感じさせた。ただ、その”正体”はまだよく知られていなかった。

 そもそも、大阪学芸という校名からして誤解を受けやすい。大阪芸術大との関連を思い浮かべる人もいるだろうが、「まったく関係のない普通校です」(小笹監督)。実際、相手チームから「普段から絵を描いたりしてんの?」と言われた選手もいたという。

 歴史は古く、創立は成器商業学校としての1903年。1974年に成器高等学校となり、1996年に現校名となった。学内での公募により決まったという。

 野球部の歴史も古く、1916年に開催された第2回全国中等学校優勝野球大会予選の関西野球大会に出場記録がある。ならば大阪府内屈指の伝統校と言いたいところだが、1917年から35年まで大会を欠場。1936年に復帰し、39年にはベスト8に進出したが、その後は軒並み大会序盤で姿を消している。歴史は古いが、大阪の高校野球で話題にのぼることはなかった。

 そんなチームにはっきりとした変化が現れたのは2011年の夏から。その年、4回戦まで駒を進めると、その後も4回戦、5回戦、5回戦、4回戦、5回戦とコンスタントに勝ち星を重ねるようになった。

 小笹監督が大阪学芸に来たのは、コーチとして指導に加わった5年前。その前から、学校の重点クラブとして野球部を強化するという波は起きていた。天理出身の前監督が熱心な指導で下地をつくり、環境面も充実。グラウンドには甲子園球場と同じ黒土が入り(現在は年2回、甲子園のグラウンドを管理する阪神園芸が整備)、照明灯も完備。学校からグラウンドまで約1時間かかるが、送迎用のバスも3台揃っている。

 8年前に、その道のプロ、特技を生かす職を目指す生徒のために「特技コース」が新設された。今では各学年2クラス、約80人がこのコースで学んでいる。野球部員も3年生で見れば、30人中10人がこのコースに在籍している。

 同コースには学内のクラブだけでなく、地域のクラブチームやプロとして活動している生徒も多く、プロ契約を結んでいるサッカー選手をはじめ、ウインドサーフィン、ダンス、ゴルフなどで世界を目指す者もいる。さらには、マジシャン、歌舞伎役者、ヨーヨーのパフォーマーなど各方面の”金の卵”が揃い、今年の春に卒業した生徒のなかにはNMB48のメンバーもいた。

 強豪校によくあるスポーツクラスなどは、全員が強化指定クラブの生徒で占められ、どこか男臭いイメージがあるが、そうした雰囲気とはまるで違う。特技クラスの萩原健太郎(捕手)が言う。

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