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セレッソ大阪を戦闘集団に変えたユンイズムは「反復のルーティーン」

7/21(金) 18:20配信

webスポルティーバ

「走り勝つ」
 
 それは今シーズン前半戦、J1首位に立ったセレッソ大阪の変革を説明する手がかりだろう。走行距離は確実に増え、平均数値はリーグ上位。直近2試合は後半の逆転勝利で、粘り強さも出てきている。

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 では、セレッソは単純な「走るトレーニング」によって、走り勝つことができているのか?

 今シーズンからセレッソを率いることになったユン・ジョンファン監督は、「走力」をひとつの代名詞にしてきた。
 
 2011~14年、ユン監督はサガン鳥栖を率いていた。選手が恐れるほどの練習量によってJ1に昇格させ、2014年はJ1首位に立つまで押し上げている(ただしシーズン半ばに事実上の解任)。試合前日の紅白戦や3部練習などの不条理を選手与え、チームを戦う集団に鍛え上げ、「朝日山の走り込み」は伝説となっている。

 しかし、セレッソで起こしている「革命」はそれとは大いに趣(おもむき)が異なる。

「鳥栖のときに比べたら、(体力的には)楽ですね。ユンさんがフィジカルトレーナーを信頼して任せているのはあるんでしょうけど。むしろFC東京での最後のほうが、きつい練習をしていたかもしれません」

 そう語ったのは、鳥栖でユン監督のサッカーの申し子としてプレーし、今シーズン、FC東京から移籍してきたMF水沼宏太だ。

「ユンさんは『反復が大事』って言います。『繰り返し、繰り返しやることで身につく。つまらない、飽きた、と思うかもしれないが、ひとつひとつ集中してやることで、試合の中で必ずその場面が出てくる』と。例えば、毎回のトレーニングでパス練習は30分間、みっちりやります。マーカーを置いて、当てて落として。その後に2人組でパス練習するんですが、ライナー、浮かし、巻き、とパスの種類を変え、少しずつ距離を離し、最後は両タッチラインから蹴る感じで。反復する中で、こいつはちゃんと蹴れる、いい回転がかかって止めやすい、とか、ディテールが出てきます。それを感じるのが大事なんだと思います」

 反復の中にある規律によって、選手の意識を高める。細部が大事だと気づかせる。日々の練習精度を上げ、試合での戦う力に変換する。このサイクルこそ、ユンイズムの基礎と言えるかもしれない。

「走ろうと思えば、走れるんですよ。みんなプロになっている選手ですから。気持ちの問題は大きいですね」

 水沼はそう明かすが、変革の種明かしは意外と言えば意外だろう。

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