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なぜ「恋愛難民」になってしまうのか? 恋愛逃避型、コミュ障型、共依存型、刺激追求型…

7/21(金) 6:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 まず初めに、読者に断りを入れておこう。本書は、恋愛マニュアルではない。この『隠れアスペルガーでもできる幸せな恋愛』(吉濱ツトム/ベストセラーズ)は、「恋愛難民もトレーニングで救われる」ことをテーマにしており、大きく分けて「恋愛逃避型」「コミュ障型」「共依存型」「刺激追求型」の4つの恋愛パターンを基礎に、その傾向と対策を示している。しかし、いわゆるQ&A方式の字引的で簡便な構成をしておらず、序章のケーススダディから順番に読み進めていく必要がある。

 これはとても大事なことで、後半になって出てくるトレーニングを実践するにしても、自身を客観視して取り組むのでなければ、トレーニングの初期でつまずいて嫌気が差してしまうと、そこから先に進めなくなってしまう。アスペルガーとは何か、なぜ自分は恋愛下手なのかを順を追って学ぶことにより、恋愛テクニックを着実に自分のモノとしていくのだ。

 そもそも、「アスペルガー症候群とは何か?」といえば発達障害の一種であり、「脳内の器質的障害を原因とする発達異常」のうち、言語障害や知能の遅れといった自閉症でないものだそうだ。ただし時代によって、あるいは医療現場などによっても分類や名称は揺れがあるため、自閉症のみならず注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)などとの境界は曖昧であるらしい。いずれにせよこれらは後天的、すなわち生活環境や親の躾の影響ではなく生まれつきの障害でありながら、言語障害や知能の遅れなどが無いと、単なる性格として周囲から認識されがちなため、本人も気づかないまま苦しんでいると考えられる。

 発達障害カウンセラーとして活動している著者自身もアスペルガーだそうで、知識を得て改善法を習得するまでは「典型的な症状」に苦しんだという。本書によれば真性のアスペルガーは90人から100人に1人の割合とされるものの、著者は20人に1人は「隠れアスペルガー」ではないかと推測している。というのも、多くのアスペルガーに共通している「会話において冗談や皮肉がわからず、真に受けてしまう」「親しい友人関係が築けない」「目が泳いでしまう、視線が不自然」「突然怒り出す」といった症状は、大なり小なり思い当たる人は少なくないはずだからで、私自身も当てはまる気がする。そしてこれらには、脳内の化学的な反応が関わっており、例えば精神を安定させる神経伝達物質のセロトニンの分泌が少ないと、不安や恐怖の感情が強まってしまい「恋愛逃避型」となる。あるいは、左右の大脳をつなぐ繊維の束である脳梁(のうりょう)が太ければ脳内を行き交う情報の量が多く並列処理ができ、これがいわゆる「細やかな気配り」につながる訳だが、脳梁が細いと会話を転がしていくような雑談は苦手となり「コミュ障型」に該当するといった具合だ。

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