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五輪の水は金魚が守る 浄水場で飼育、毒物混入を察知

7/22(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 東京都は3年後に迫る東京五輪・パラリンピックに備え、都内の浄水場のテロ対策を強化する。外部から浄水場内への侵入を防ぐために監視カメラを増設するほか、水道水への異物混入を防ぐ対策を進め、ライフラインの要である水道をテロの脅威から守る態勢を整える。
 東京都水道局によると、都内には主要な浄水場が11カ所あり、1日当たり約686万立方メートルの水道水を供給している。同局は2015年3月に策定した「セキュリティ対策行動計画」に基づき、警視庁や東京消防庁と連携してテロ対処訓練を実施。浄水場の外周に侵入者を感知するセンサーを設置したほか、施設見学の制限や、パンフレットで内部配置が分かる航空写真の掲載取りやめなど、ハード・ソフト両面のテロ対策を進めてきた。
 ただ3年後の東京五輪を見据えて、都内の観光地や公共施設などでのテロ発生への懸念は高まっている。特に水道関連の施設でのテロ行為は都民全体の生活に直結するため、万全の対策が求められる。警視庁からも浄水場の警備上の問題点を指摘されており、都水道局はセキュリティー対策のさらなる強化が必要と判断した。
 現在も浄水場内への不審者の侵入を防ぐために複数台の監視カメラを設置しているが、今年度中に大幅に増設する。施設周辺で発生した異常をすばやく確認できる監視態勢を全方位で整え、テロ行為を未然に防ぐ。
 水道水への異物の混入を監視する毒物検知水槽も今年度から増設する。水槽の中で水の汚染に敏感な金魚を飼育し、毒物に反応して金魚が異常な動きをした際には、センサーが感知して自動的に警報が鳴る。現在は主に浄水場内の処理工程で利用しているが、川から浄水場に流れ込む毒物をいち早く検知・通報するため、施設外の関連設備にも拡大する方針だ。
 異物混入を防ぐ対策では、沈殿池などの上面をフタで覆う対策も進める。これまではろ過池など浄水処理の最終工程で利用する設備を優先してフタで覆ってきたが、施設全体で対策を進め、ドローン(小型無人機)などを利用した毒物投入などへの対策を急ぐ。
[日本経済新聞朝刊2017年7月7日付]

最終更新:7/22(土) 7:47
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