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優待株の強い味方 「クロス取引」で脱・初心者

7/22(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 3000円の優待品の権利を取ったものの、翌日の権利落ちで株価が1万円も下落──。優待投資の初心者は、こんな失敗も多いはず。達人がこぞって使う「クロス取引」をマスターすれば、安全に優待を取れるようになる。

 クロス取引の仕組みは単純だ。優待の権利を取るには、権利付き最終売買日の大引け時点で、一定の現物株を保有している必要がある。この時、同じ株数の信用売り玉(カラ売り)を保有しておくのがポイントだ。

 買いと売りを同数持つことを「両建て」と言い、この状態では株価がどれだけ動いても損益は出ない。一方、両建てでも現物株を保有していることには変わりないので、優待の権利はきっちり取れる。このため、株価がどれだけ下がっても全くダメージを受けずに優待を取れるわけだ。

 クロス取引の具体的な手順は上図の通り。まず、権利付き最終売買日の寄り付きで、現物買いと信用売りを、同株数、成り行きで注文する。こうすると、買いも売りも同じ価格で約定する。後はそのまま翌日まで持ち越して、手じまえばいい。それぞれ反対売買してもいいが、現物株を「現渡」して信用売りを決済すると手数料を節約できる。

■クロス取引のコストを見極め

 便利なクロス取引だが、どんな時でも得できるわけではない。クロス取引の損得を整理してみよう(下表)。

 まず、クロス取引では株価がどれだけ動いても損益は出ない。また、配当については、現物株の保有で配当金をもらえる一方、信用売りをしていると配当相当額(配当落ち調整金)を支払わなければいけないので、おおむね相殺される。結局、クロス取引の収支は、「もらえる優待品」と「支払う手数料」の差になるわけだ。

 クロス取引の手数料は、現物買いと信用売りの売買手数料の他、信用売りの貸株料(2日分)が必要だ。これらは、ネット証券であればそれほど高額にはならない。

 問題は、「逆日歩」(ぎゃくひぶ)という特別なコスト。これは、信用売りの需要が急増し、貸し出す株数が不足すると発生する。運が悪いと、優待品の数倍に相当する逆日歩を支払うこともあり、クロス取引で最大のリスク要因といえる。

 その日の取引で逆日歩が付くかどうかは、翌日になるまで分からない。一般的に、流動性の低い中小型株ほど高額の逆日歩が発生しやすいので、初心者は大型株に絞ってクロス取引を行うのがいいだろう。また、目当ての銘柄について、前年の権利付き最終売買日の逆日歩をチェックし、高額の逆日歩が付いていたらクロス取引を避けるのが無難だ。

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最終更新:7/22(土) 7:47
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