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アマチュア野球真っ盛り。スカウトたちは何を見る?

7/22(土) 12:00配信

週刊ベースボールONLINE

 大学選手権が終わり、社会人の都市対抗が開幕、高校野球は地方大会の真っただ中で、甲子園を目指した熱き戦いが全国各地で行われている。各メディアでは熱戦の模様と同時に、ドラフト候補選手たちの活躍ぶりも報じられているが、その中にはスカウト評も。そう、スカウトたちもスカウティング活動、真っ盛りの季節だ。

 ただ、彼らの仕事は試合の視察だけにとどまらない。

 今から5年前の2012年。大阪府で開催されていた近畿地区の強豪学童チームが集う『交流大会』に取材に行ったときのこと。声援を送る父母の中に、小学生のプレーを見つめる某球団のスカウトの姿があった。お目当ての選手は果たして――。声をかけると、こんな答えが返ってきた。

「特定の選手を見ているわけではないんです」

 では、目的は何か。率直な疑問をぶつけると「選手がどんな環境で育ってきたのかも知っておく必要があるんです」と、某スカウトは言った。ドラフト候補に挙がった選手が、かつて所属していた学童チームを知っておくことで、どんな環境で育ってきたかを把握でき、練習に対する姿勢を含めた性格の面を知る参考になるという。
 
 交流大会には、Hondaから2016年ドラフト5位で楽天に入団した石橋良太を輩出し、今秋のドラフト候補である西川愛也(埼玉・花咲徳栄高)を擁して11年の全日本学童で日本一に輝いた長曽根ストロングス(大阪)、楽天・則本昂大の出身チームである多賀少年野球クラブ(滋賀)など、全国でも有数の強豪が一同に会していた。だから、スカウトにとっても絶好に視察チャンスだったのだろう。

 また、某スカウトと雑談を交わす中で、ポツリとこう言ったのが印象的だった。

「スカウトと報道の仕事と共通点は多いのではないですかね。私たちは良い選手と目をつけた選手に関するレポートを提出するために調査をする。報道の方で言えば取材です。なぜ、この選手は良い選手なのか。また、プロ入り後に活躍ができるのか。そう判断するためには、試合でのプレーだけを見ているわけではありません」

 だから“周辺調査”は欠かせない。多岐にわたるスカウト活動。アマチュア野球真っ盛りの夏、彼らは全国各地の球場に足を運び、選手のプレーに目を光らせているが、指名の決め手になるのは、決して試合だけではないのだ。

『心技体』。一流が集うプロの中で、自らの力を発揮し、さらに技術を伸ばすためには『心』も重要なポイント。アマチュア時代に無名だった選手が、プロで才能を開花させるのは、スカウト活動の賜物とも言えるだろう。

文=鶴田成秀 写真=田中慎一郎

週刊ベースボール

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