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闘病ブログ、心の支えに 肉声で体験語るサイトも

7/22(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 6月下旬死去したフリーアナウンサーの小林麻央さんが書きつづったブログが話題になったが、ネット上では同じような闘病記が増え続けている。病気の悩みを打ち明ける患者に、同じ体験を持つ人がアドバイスや激励を書き込み、体験や情報を共有する。そこにあるのは、肉親や親友ほど親密ではないが他人の疎遠さでもない「2.5人称」の距離感。ネットで広がる共感が闘病の勇気を支える。
 「短い余命が更に縮むんじゃないかと発狂しそうです」。6月初め、埼玉県に住む漫画家、つかじ俊さん(26)がブログに書き込むと、「私もどれだけ泣いたか分かりません」「克服できるよう、祈っています」と応援のメッセージが次々書き込まれた。
 検診で大腸がんが見つかったのが1年半前。ステージ3だった。「日記なんて書いたこともなかったが、ブログなら気が楽。どうせなら記録を残しておきたいと思った」

■患者をつなぐ

 入院中はベッドの上からスマートフォン(スマホ)を使って体調の変化を入力。ツイッターでの発信も始めたが、4月には余命を宣告され覚悟を決めた。メッセージをくれる人と面識はほとんどないが、同じがん患者同士。その一言が心を支える。
 卵巣がんと闘う大阪府のサオリさん(37)もブログをきっかけに患者とつながった。「当初は周りに、同世代の患者が居なくて相談すらできなかった。不安な気持ちをはき出すためのブログだった」が、次第に同じ境遇の患者からコメントが届くように。「独りやないんや、と勇気をもらった」。がんが見つかって4年。ネットで知り合った仲間は、「友人や家族以上に素直に話せる存在」だ。
 「ネット上の付き合いだけの人でも、亡くなると喪失感を感じる。それはリアルの世界と同じ」と語るのは大腸がんを経過観察中の、いきてるさん(57)。再発が不安で、自分より病が進行している人や既に亡くなった人のブログをたまに読む。そこからは病院で医師から聞く説明では分からない生と病が、よりリアルな言葉で伝わってくる。「自分の近未来を疑似体験しているのかもしれない」
 ネットの中でより広範囲に交流する動きもある。ステージ4の胆管がんで、小学3年生の子供がいる西口洋平さん(37)は昨年4月、交流サイト「キャンサーペアレンツ」を立ち上げた。子供を持つがん患者に限定したサイトの登録者は1100人を超え、今も増え続ける。年齢も境遇も似かよっているから「お互い同情し合うというより、一体感の意識が強い」。
 西口さん自身、サイトで交流していると「ずっと生き続けられるのではという錯覚すら覚える」という。心の癒やしやよりどころを既存の宗教に求めようという気持ちは全く生まれない。「むしろ、交流サイトが目に見えない神のような存在。ずっと続いてほしい」
 ただ、お互いを知っているようで知らない「2.5人称」の関係には、時に不確実な情報も紛れ込む。
 「突然コメントが来て読んでみたら、怪しい健康食品の宣伝だったということが、よくあります」と、ある闘病ブログの筆者は話す。特定の医療手法や医療機関を勧めるメッセージも頻繁に届く。「不安を抱えるから、思わず飛びつきそうになる。それが怖い」

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最終更新:7/22(土) 7:47
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