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あの八重樫さんが激励。「ヤクルトよ、野球を始めた頃の気持ちに戻れ!」

7/22(土) 8:20配信

webスポルティーバ

 7月15日、『いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社刊)の出版記念トークイベントが東京・新宿の「週プレ酒場」で開催された。著者の長谷川晶一氏が進行役をつとめ、ゲストに“ヤクルト一筋47年“の八重樫幸雄氏を迎えた。偉大なる“燕“OBは、選手時代、指導者時代、スカウト時代にまつわる数々のエピソードを披露。

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 そしてファンとの交流を終えた八重樫氏に、あらためて今シーズンのヤクルトについて聞くと、開口一番「僕も昨年までスカウトとして編成に関わっていましたので......責任を感じています」と言うのだった。

* * *

── 今季、ヤクルトはDeNAとの開幕3連戦を2勝1敗と勝ち越し。その後、勝ち星は先行しないものの、懸案だった投手陣は安定。先発のクオリティ・スタート(QS)がリーグ1位の時期もありました。しかし、シーズンが進むにつれて10連敗以上の“大型連敗“を2度経験するなど、現在、断トツの最下位。正直、ここまで厳しい戦いになるとは思っていませんでした。どこに原因があると思われますか。

「まず故障者が多いことは当然ですが、やはり山田哲人の不調じゃないですか。ヤクルトはどちらかといえば打線が投手陣をカバーするチームです。今年はそれができなくなっている。川端慎吾、畠山和洋がケガで長期離脱し、一時はバレンティンや雄平も登録抹消されました。そこに山田の不調......。投手たちが、昨年までは『同点になっても(打線が)なんとかしてくれるだろう』とある程度、余裕を持って投げられていたのに、今季は『ここは絶対に抑えなければ』となっているのではないでしょうか。それで余計な力が入り、ボールが甘くなり、カウントも悪くなってしまう。まさに悪循環ですよね」

── 山田選手の不調の原因は、どこにあると思われますか。

「昨シーズン終盤に受けた(背中への)死球の影響はあるでしょうね。山田のいいところは、ボールに対して迷わずに向かっていくところでした。そこに強いリストがあって、ホームランが打てた。相手バッテリーとしては、山田に2年連続でトリプルスリーを達成されて、それを恥と感じていますから、攻め方もきつくなってくる。その厳しいボールに、山田の体が反応しているのがわかります。思い切って、真ん中から外のボールを捨て、内角だけを狙ってみてはどうか。今の状況を打破するのは“気持ち“しかないと思います」

── 今季は多くの主力選手が欠けることで、若手にレギュラー奪取のチャンスが訪れています。谷内亮太、西浦直亨、藤井亮太、奥村展征、山崎晃大朗、廣岡大志......。彼らがチームを活性化してくれれば、勝ちも増えていくと期待を寄せましたが。

「僕としては、特にチャンスを与えられた若手野手の使い方が不満なんです。何試合か使って、成績を残せないとすぐ二軍に落としてしまう。一軍での自信がつかないうちに二軍に戻ると、気持ちの面でなかなか這い上がれないんですよ。あの広岡達朗(1976~79年までヤクルトの監督)さんでも、若手を一軍に上げたら2カ月は試合に使っていました。そのなかで結果を残せなかったら、また二軍で鍛え上げる。今は中心選手をケガで欠き、チームの成績もこういう状況なので、なおさら我慢して使ってほしいところなんですが......」

 八重樫氏はそう話すと、「ただ、長いスパンで使ってもらって結果を出せないのは、本人たちの責任です」と言った。

「結局、二軍に落とされるのは、打つこと、守ること、走ることで印象を残せなかったということ。打席でもあっさり見逃し三振とかが多い。思い切り振って三振するのは構わないんですよ。そうすることで『ここから曲がってくるのはボールなんだ』といったように、いろんなことがわかってくる。バッテリーというのは、打者に粘られるのは嫌ですよ。僕も現役時代に代打で全盛期の津田恒美(元広島/故人)を相手に、20球以上ですかね、粘っているうちにタイミングが合って、センター前にヒットを打ったことがありました」

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