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パンダ誕生も… 動物園で深刻な「跡取り」不足、あの人気者はもう見られない!?

7/22(土) 16:10配信

NIKKEI STYLE

 最近、動物園が出産ラッシュにわいています。6月には東京の上野動物園でパンダの赤ちゃんが生まれたほか、富山市ファミリーパークなどでニホンライチョウのひながふ化しました。ところが、動物園のプロたちの表情は必ずしも明るくありません。それは園にいる動物たちの「跡取り」を確保する見通しが厳しいためです。

 日本動物園水族館協会の成島悦雄専務理事は「特に大型の動物で跡取りが不足している」と嘆いています。例えば人気のアフリカゾウ。2015年に国内に38頭いましたが、30年には7頭まで減ると同協会は推計しています。ニシゴリラは13頭が6頭に減り、バクやペンギンの一種は30年に国内からいなくなる可能性があります。

 悲観的な推計なのは、動物園での繁殖が先細りするとみられるためです。ゾウやゴリラなど希少な動物は海外から個体を連れてきて繁殖しなければなりません。しかし環境保護の規制が強くなり、野生動物を海外から買ってくることが難しくなっているのです。

 海外の動物園から個体を借りてくる手もありますが、簡単ではないようです。成島さんは「欧米の動物園は日本に個体をなかなか貸してくれない」と話しています。

 日本の動物園は法律で細かな設置基準が定められておらず、施設の状態は動物園ごとにバラバラです。このことが厳格な基準をもつ欧米の動物園から不信をもたれる原因になっているようです。成城大学の打越綾子教授は「飼育環境を底上げする政策や予算がないと、海外との動物交換はなかなか進まない」と指摘しています。

 上野動物園で生まれたパンダは2年後をメドに所有権を持つ中国に返還される見通しです。海外から動物を連れてくるのが難しい流れは今後も変わらないでしょう。

 跡取り不足は動物園を訪れる側の意識も問うています。打越さんは「パンダやゾウなど人気動物ばかりに目を向ける発想を克服し、日本の里山に暮らす動物に思いをはせる施設も必要ではないか」と話しています。ゾウやゴリラが見られなくなると嘆くばかりでなく、タヌキやムササビなど古くから日本にいる生き物に目を向ける時かもしれません。

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最終更新:7/22(土) 16:10
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