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トヨタ『プリウスPHV』VS 三菱『アウトランダーPHEV』日本が誇る最新PHV対決

7/22(土) 9:30配信

@DIME

いよいよ、プラグインハイブリッドの時代がやってきた。じわじわとインフラも整備され、使い勝手もよくなってきたプラグインハイブリッドは、どこまで身近で実用的になったのか? 日本が誇る最新モデル2台でチェックしてみた。

 プラグインハイブリッド(以下、PHV)とハイブリッドの違いと言うと、PHVは電池の充電を外部からできるシステムを備えているところにある。トヨタ『プリウスPHV』は、1.8Lのガソリンエンジンを搭載し、走行中にモーターを駆動する電池の充電量が減ると、エンジンが作動し充電を開始する。電池の充電量が不十分でも急加速時にエンジンが始動し加速を助ける機能も備えている。充電量が十分な状態ではEVモードで走行できるが、試乗した時は満充電で約55kmのEV走行ができた(カタログ値は68.2km)。充電は100V/6Aで約14時間、200V/16Aで約2時間20分、急速充電は20分で80%充電できる。エンジンを使って充電しながら走れば外部からの充電は不要だ。

 一方、三菱『アウトランダーPHEV』は2.0Lのガソリンエンジン。こちらも基本は電池+モーターによるEV走行がメイン。フル充電状態でのEV走行は約50km(カタログ値は60.8km)。充電量が不足してくるとエンジンが始動し、電池の充電を開始する。充電量が十分な時は何と時速100kmでもモーター走行が可能だ。高速走行ではエンジン主体で走り、モーターがアシストすることもある。こちらもエンジンから充電することで外部から充電する必要はなく、EVで走り続けることができる。外部充電は200V/15Aで約4時間、急速充電は約25分で80%充電できるが、100V充電には対応していない。

◎PHVの開発を続けてきた三菱に「一日の長」あり

 気になる走りはどうか。2車を乗り比べてみると、いずれも発進はモーター特有の初動からトルクが一気に立ち上がり、力強く加速していく感覚は十分だった。ただ『プリウスPHV』はモーターなどの走行音や減速時の回生音が大きめで、エンジン作動時の音も気になった。乗り心地やハンドリングが大幅に向上しただけに改良に期待したい。

『アウトランダーPHEV』はエンジン音も抑えられており、ハンドリングも素直でクルマの造りも上質感がある。

 車両価格を考慮すれば決して安い買い物とは言えないが、積極的に充電しながら走るという使い方はこれまでのクルマにはなかった楽しみ方だ。

◎通勤も買い物もEVモードでOK
トヨタ『プリウスPHV』

Specification
■全長×全幅×全高:4645×1760×1470mm
■ホイールベース:2700mm
■車両重量:1550kg
■排気量:1797cc
■エンジン形式:直列4気筒DOHC
■最高出力/モーター:98PS/5200rpm 72PS
■最大トルク/モーター:142Nm/3600rpm 163Nm
■変速機:電気式無段
■燃費:30.8km/L(ハイブリッド JC08モード)
■車両本体価格:422万2800円
※『プリウスPHV Aプレミアム』

一見ハイブリッドの『プリウス』と同じルックス。ホイールベースは同じだが全長は『プリウスPHV』のほうが105mm長い。これは前後部のデザインの違いによるもの。ヘッドライトは片側4灯式の薄型LED。ホイールは17インチ(※オプション)。

『プリウスPHV』のデザインはリアのほうが特徴的。テールランプはハイブリッドモデルのイナズマ型から左右に広がるワイド型に変わった。リアウインドウも曲面が2つの山になっているダブルバブルウインドウを採用している。

◎一歩先を行く洗練されたプラグインハイブリッド
三菱『アウトランダーPHEV』

Specification
■全長×全幅×全高:4695×1800×1710mm
■ホイールベース:2670mm
■車両重量:1900kg
■排気量:1998cc
■エンジン形式:直列4気筒DOHC
■最高出力/モーター:118PS/4500rpm 82PS+82PS
■最大トルク/モーター:250Nm/3500rpm 137Nm+195Nm
■変速機:無段変速
■燃費:19.2km/L(ハイブリッド JC08モード)
■車両本体価格:478万9260円
※『アウトランダーPHEV Sエディション』

ホイールベースは『プリウスPHV』より30mm短いが、全長は50mm長い。最低地上高は190mmなので悪路走破性能も十分。もちろん4WDだが、前・後輪の駆動用にそれぞれ1基ずつモーターを装着している世界でも珍しいSUVだ。

マイナーチェンジで設定された「Sエディション」は、プラグインハイブリッドシステムの改良のほか、ドイツ・ビルシュタイン社製の高性能ショックアブソーバーを採用。バンパー下もボディーと同色にした。ルーフが黒いのは専用仕様。

〈いずれも改善ポイントは多いが、近未来感は十分楽しめる〉

◎トヨタ『プリウスPHV』

[運転性能]ハンドリングは新型『プリウス』より向上。アクセルレスポンスは軽快だが0→10km/hの加速は10秒台。17点

[居住性]乗り心地も旧『PHV』よりも大幅に改善。室内は狭くはないが後席が左右1名ずつしか座れないが不便。16点

[装備の充実度]安全装備もようやく他社レベルに。外部給電やアクセサリーコンセントも充実。100V充電にも対応。18点

[デザイン]フロントマスクからリアデザインの新しさやリアゲートのウインドウ形状、素材など随所に新しさが感じられる。19点

[爽快感]かなり改善されたとはいえ、まだ下半身の重さを感じさせる。耳障りなエンジン音も要改善事項だ。17点

[評価点数]87点

◎三菱『アウトランダーPHEV』

[運転性能]ビルシュタイン社製のショックアブソーバーを装着したモデルは乗り心地を維持しながら操縦性を追求。18点

[居住性]前席は着座位置を低くしても高めのポジションで視界を確保。後席は着座位置を高めにしたことで頭上が狭い。16点

[装備の充実度]3か所ある1500Wの給電コンセントも、安全装備も使い勝手はよいがナビがスマホがないと使えないのは残念。18点

[デザイン]マイナーチェンジで大胆にメッキ部分を増やしたフロントマスクはインパクト大。SUVとして存在感も十分。17点

[爽快感]2t近い車重だが0→100km/hの加速は9秒台。パドルを操作しながらの回生ブレーキ力を調整するのも楽しい。18点

[評価点数]87点

【OTHER CHOICE】海外メーカーがプラグインハイブリッドの開発に積極的な理由

 1997年、トヨタが世界で初めて量産型のハイブリッド車『プリウス』を発売し、次々と車種を展開した時、誰もが最新のエコカー技術は日本がリードしていくと思ったはずだ。実際にその当時、海外の自動車メーカーはハイブリッド車に興味はなく、開発も公式には認めていなかった。しかし、欧米で排ガス規制が厳しくなり、既存のパワーユニットではそれをクリアできそうにもないとわかると、ドイツのメーカーやサプライヤーが本気で開発に着手。それがハイブリッドではなく、プラグインハイブリッドだった。一度、開発をスタートさせると欧州メーカーの進化は速く、あっという間にプラグインハイブリッド車は、各社のラインアップに加えられた。

 国内メーカーではまだ今回紹介した2台と、日産『NOTE e-POWER』しかないが、ドイツ車は、VW『ゴルフ』やBMW『2シリーズ』のようなファミリーカーから、メルセデス・ベンツ『Cクラス』『Sクラス』まで展開しており、ポルシェも『パナメーラ』にプラグインハイブリッドを追加した。

 日本勢の奮起に期待したい。

文/石川真禧照

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIME編集部

最終更新:7/22(土) 9:30
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