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犬は目の錯覚にはだまされないってホント?

7/22(土) 10:30配信

@DIME

筆者の愛犬は牛肉と豚肉を同時に出すと、まず牛肉から食べる。スイカを出せば甘いところしか食べない。そして、ちょっとリッチなヨーグルトとお手頃なヨーグルトを並べて出すと、リッチなヨーグルトしか食べず、お手頃ヨーグルトは筆者が有難く食べることになる。

「う~む、犬はなかなかにグルメだ」などと思うことは度々あったわけだが、同じ食べ物で量が違うものを同時に出したらどうなるか?と試してみたことがある。

すると愛犬は、まず量の多いほうから食べ始め、量の少ないお皿をちらちらと横目で見ながら、いつもよりやや急いで食べている。その目は、「それも食べるんだから、片付けないでね」と言っているかのようだった。

そんな筆者がやったことのない実験(?)がある。

図の白い部分はお皿で、青い部分は食べ物と仮定した場合、違いがおわかりだろうか? 食べ物の量はどちらが多いのか?

実は、右側のほうはお皿が大きいだけで、食べ物の量は両方ともまったく変わらないのだ。しかし、パッと見たところ、左側のほうは量が多く、右側は少ないように感じないだろうか?

これは目の錯覚によって起こる現象で、デルブーフ錯視と呼ばれており、身近なところではインテリアやメイク、交通環境などにも取り入れられているそうだ。

犬にこのデルブーフ錯視を用いて食べ物を与えたら、いったいどう反応するのか? 筆者はこれをまだやったことがなかったのだが、その実験をした研究チームがあった。

イタリアのパトヴァ大学総合心理学部の研究チームは、犬に対して2種類の実験を行うことで、犬もデルブーフ錯視に反応するのかどうかを調べたのである(*1)。

1つ目の実験は、大きさはまったく同じ2つのお皿を用意し、片方のお皿にはビスケット32g、もう1つのお皿にはビスケット18gを乗せて出した場合、犬はどちらを選ぶか?というもの。ビスケットの量は変えずに、お皿が2枚とも大きい場合、2枚とも小さい場合などの組み合わせも混ぜて、各々の犬に対し、複数回試された。犬はどちらかのお皿を選ぶと、もう1つのお皿は取り上げられてしまって食べることができない。

結果はというと、犬たちは一貫してビスケットの量が多いほうのお皿を選んだそうだ。昔から、犬は、数はともかく量はわかると言われてきたが、それが改めて確かめられたといった感じか。

2つ目の実験では、食べ物の量は両方とも32gとし、その代わりにお皿は大きなものと小さなものが使用される。もし、犬が人や他の霊長類のようにデルブーフ錯視に反応するのであれば、お皿が小さいほうを選ぶ率が高くなるのでは?と予想されるわけだが、結果的には、お皿のサイズに関わらずランダムにお皿を選ぶ場合と大差なかったという。

つまり、犬はデルブーフ錯視には影響されない、だまされないというふうに考えることができると。

そう言われると、「犬は賢い!」と言いたくなるが、研究者は人およびその他の霊長類と犬とでは、大きさを判断する知覚バイアスが元々違うのかもしれないとしているのももっともで、いずれにしても犬の“不思議・なぜ?”はまだまだたくさんあるということだ。

ちなみに、犬の視覚というと、以前こんな動画が発表されたことがあった。眼科専門の獣医師の協力を得てフランスの3Dデザイン会社Dassault Systemesが制作したもので、犬・猫・タカ・ネズミ・ハチには世界がこう見えているのかもしれないというのをシミュレーションしている(*3)。

はたして犬たちは私たちをどんなふうに見ているのだろう? 少なくとも、私たちがデルブーフ錯視にだまされそうになっている時には、「あぁ、またやっちゃってるよ」とでも思っているかも?

参考資料:
(*1)Do domestic dogs (Canis lupus familiaris) perceive the Delboeuf illusion? (2016) / Maria Elena Milletto Petrazzini et al. / Animal Cognition pp1-8 doi:10.1007/s10071-016-1066-2
(*2)Fooling People But Not Dogs / THE BARK
(*3)Experience the world like a hawk, rat or bee in 3D fame / New Scientist

文/犬塚 凛

@DIME編集部

最終更新:7/22(土) 10:30
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