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「毎月分配型」投信が持つ好印象と裏腹な欠陥

7/22(土) 6:00配信

東洋経済オンライン

■日本の投資家が運用で利益を上げられない原因の1つ? 

 日本の投資信託(ファンド)市場にちょっとした異変が起きている。

 投資信託協会が7月13日に発表したデータによると、2017年上半期(1~6月、以下同)に「毎月分配型」(毎月決算型)と呼ばれるタイプの投資信託が202億円の資金流出となった。これはデータが存在する2010年下半期以降で初めてのことだ。2017年上半期の毎月分配型投信の購入額は5兆3445億円で、前年同期比7%増の半面、売却額が5兆3647億円で前年同期比25%増となった。購入額と売却額の差し引きで202億円の資金流失となった、というわけだ。

 よく知っている人には今さら解説するまでもないが、改めて投資信託とは、「投資家から集めたおカネをひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用し、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」だ。

 このうち「毎月分配型」とは、その名のとおり、運用成果の一部を投資家へ毎月分配するタイプの投資信託で、日本の銀行などで販売されている投資信託の多くが、いまだに「毎月分配型」もしくは「隔月分配型」商品になっている。

 かつて、投資信託の規模の大きさを示す純資産総額が5兆円に達して、国民的投資信託ともいわれた「グローバル・ソブリン・オープン(略称グロソブ)」も、毎月分配型が評価されて莫大な資金を集めた。

 一方、海外では毎月分配型という商品は米国など一部地域にしか存在しない。あっても債券ファンドなど特殊なタイプにしかなく、あらゆるタイプの投資信託が毎月分配型になっているのは日本だけといっていい。

 そんな状況の中で、近年指摘されてきたのが毎月分配型投信の運用効率の悪さだ。実際、日本の投資家が運用で利益を上げられない原因のひとつとして「毎月分配型投信」を指摘する専門家も多い。ガラパゴスファンドと揶揄されてきたのも事実だが、その反面で爆発的な売れ行きを見せてきた。

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