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シャーロック・ホームズと伊藤博文が共演!? ベストセラー作家が放つ、興奮の歴史ミステリー

7/22(土) 15:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 2010年以降、BBC放映のドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』をきっかけに、全世界で巻き起こったシャーロック・ホームズブーム。今年はファン待望のドラマ第4シーズン『SHERLOCK 4』が放映されるということもあり、その人気と勢いはとどまるところを知らない。そんなブームのさなか、ホームズの新たな冒険を描いた注目のミステリー小説『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』(松岡圭祐/講談社)が刊行された。

 これはそのタイトルどおり、名探偵シャーロック・ホームズが明治期の偉人・伊藤博文と競演を果たすというコンセプトの作品。ミステリー界の巨匠・島田荘司が「これは歴史の重厚に、名探偵のケレン味が挑む興奮作だ」と熱い推薦コメントを寄せているように、ミステリーと歴史小説、フィクションと史実が高いレベルで融合したエンターテインメントに仕上がっている。

 本作でホームズが挑むのは、1891年に起こった「大津事件」にまつわる謎だ。日本史の授業で習ったという方もいるだろうが、大津事件とはロシアの皇太子ニコライを日本人巡査が襲撃した、明治史を語るうえでは欠かせない出来事。ロシアとの戦争を引き起こしかねなかったこの事件は、犯人に無期懲役の判決が下ったことで一度は決着したはずだった。ところが事件から4ヶ月経って、突如ロシアは態度を硬化させる。この急変の裏にはいったいどんな思惑があるのか? 秘かに来日していたホームズは、旧友の伊藤博文を助けるため、事件の真相に迫ってゆく。

 ホームズの生涯に謎の空白期間があるというのは、一部でよく知られた事実だろう。具体的に言うなら短編「最後の事件」で宿敵モリアーティ教授とともにライヘンバッハの滝に姿を消してから、「空き家の冒険」で再登場するまでの約3年間だ。この間ホームズがどこで何をしていたかは分かっておらず、長年ファンの関心と憶測を呼んできた。

 本作で描かれているのはこの空白期のホームズである。モリアーティを倒したホームズは死を装い、兄の勧めに従ってはるばる日本まで逃れてきた、というのが本作の提示するストーリー。胸躍るこのアイデアを成立させるため、少年時代のホームズと伊藤博文をあらかじめ知り合わせておくなど、著者はあらゆる工夫を凝らしている。歴史とフィクションの混ぜ合わせ方があまりに巧みなので、読んでいてつい“ホームズ来日説”を史実と錯覚してしまうほどだ。

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