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50年ぶりの大革命!? 人工「蜘蛛の糸」は何がすごいのか

7/23(日) 22:01配信

WWD JAPAN.com

 世界で1年間に生産される繊維素材約8900万トンのうち、実に7割以上が化学繊維で、そのほとんどはポリエステルで占められている。しかし、それが大きく変わるかもしれない。

 米国のベンチャー企業ボルトスレッズ(BOLT THREADS)は7月20日、ファッションデザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)とのパートナーシップを発表した。両者は合成タンパク質から製造する、いわゆる人工「蜘蛛の糸」を使ったウエアを共同で制作する。人工の蜘蛛の糸と言えば、日本ではゴールドウインも出資するスパイバー(Spiber)の「クモノス(QMONOS)」が有名だが、石油を原料にするポリエステルと違って、地球上に豊富に存在するタンパク質を原料にした合成高分子は、米国の軍事研究機関である米国国防研究計画局(DARPA)も巨額の資金を投じるほど、国内外で大きな注目を集める夢のテクノロジーだ。人工蜘蛛の糸は、ポリエステルやシルクなどの従来の繊維と一体何が違うのか。

 人工蜘蛛の糸の製造に成功している企業は、スパイバーとボルトスレッドの他に、米国のクレイグ バイオクラフト(KRAIG BIOCRAFT)などもある。同社は2016年に米国陸軍と人工蜘蛛の糸を使った防弾チョッキなどを共同開発する契約を締結した。

 DAPRAは11年に人工蜘蛛の糸などを含むバイオテクノロジー開発に約34億円(3000万ドル)を投じると発表、クレイグ バイオクラフトとの取り組みもその一環だと見られる。日本のスパイバーも、ゴールドウインから発表予定だった“ムーンパーカ”の販売はずれ込んでいるものの、同社の決算公告からは政府やゴールドウインを始め、すでに150億円近い資金を調達していることが分かる。業種が違うため一概には比較できないが、調達額だけでみるとすでにメルカリを凌駕しており、製品のローンチ前にも関わらず、非常に大きな期待が寄せられているのだ。

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最終更新:12/14(木) 14:54
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