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進化するポップアップストア、いまや小売業界のコア戦略:オンラインでは達成できないメリットとは?

7/23(日) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

円盤形のタンポン代替品を販売するオンライン小売店「ザ・フレックス・カンパニー(The Flex Comapny)」は、ニューヨークのソーホー地区ウースター通りに初のポップアップ店をオープンさせる。

ポップアップ店を訪れた客はフレックスのプロダクトを購入するだけでなく、生理用品の歴史についても学べる。この店舗を通して、「生理は女性の生活におけるごく正常な一部分である」「生理用品はドラッグストアの奥の方で隠れるように売られている必要はない」という考えを提唱していきたいと、共同創立者でありCEOのローレン・シュルト氏はいう。

フレックスのように、ポップアップ店の形を通して、実店舗をもつことを試みる小売リテール店は、規模の大小を問わず増えてきている。こういった短期の店舗所有の狙いは、売上を上げることよりもブランドを体験してもらうことにシフトしてきた。

たとえば、アリアナ・ハフィントン氏のメディア「スライブ・グローバル(Thrive Global)」は、エージェンシーのザ・ライオネスク・グループ(The Lionesque Group)と協力し、ソーホー地区に6週間にわたってポップアップ店を運営した。これは昨年のホリデーシーズンだったが、そこでは「スライブ・グローバル」が医薬部外品の睡眠をサポートするプロダクト、そして高級な寝間着などが展開された。スタートアップだけではない。Googleやサムスン(Samsung)のような巨大企業たちもまた、ソーホーにポップアップ店を打ち出し、ガジェットを体験できる空間を提供した。ブリーチャー・リポート(Bleacher Report)のようなメディア企業ですら、ポップアップ店舗に手を出している。

ポップアップ店のメリット

ポップアップ店にはメリットも多い。長期の賃貸契約を結んだり、大きなクレジットラインに縛られる必要がない。それでいて消費者は、新しいプロダクトやサービスを直接体験することができる。これはオンラインでは達成できない。ポップアップ店は10年以上の歴史をもつリテール業界の手法だ。しかし近年では、ただ1回限りのプロダクトローンチイベントとしてではなく、ブランドのリテール戦略のコアな一部として進化していると語るのは、バーチボックス(Birchbox)のCOO(最高執行責任者)兼プレジデントのフィリップ・ピナテル氏だ。

「リテールにおける次の新境地だ、というわけではないが、新しいブランドにとって、特にeコマースの会社にとっては、顧客と接点をもち、トップ・オブ・ファネル・マーケティングを向上するオプションのひとつだ」。

ポップアップがリテールブランドにとってもつ意味も変わってきている。ポップアップが登場した当初は売上を目的としたものであったが、いまではブランドの物語を伝える場所、もしくはブランド体験を提供する場所になってきていると、取材に応じたエージェンシーやブランドのエグゼクティブたちは同意した。

アメリカにおいては、長期的な通常店舗を設置するにあたり用意できる面積が減ってきていることも、ポップアップ流行を後押ししていると、ピナテル氏は説明する。スタートアップにとってはアグレッシブに店舗を拡大するのに資本を投入する時期ではないのだ。

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