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カーライフ、恥の原点「フェラーリ様に聞いてくれ」──清水草一の愛車コラム Vol.6

7/23(日) 22:31配信

GQ JAPAN

【2週間ぶりの更新!】乗り継いできたクルマの数は優に40台を超えるモータージャーナリスト、清水草一が、愛車史を振り返る新連載の好評自動車エッセイ。第6回は再びのフェラーリ 348tb。

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■断然ブッチギリ

思えばビビリの多い人生であった。

カーライフにおける最大のビビリ。それは身の丈以上のクルマに乗ることだ。かつ、そのクルマが故障することだろう。

私が人生においてもっともビビッった愛車は、自身最初に買ったフェラーリ 348tbだ。

それはもう断然ブッチギリでビビリまくった。なんせ、身の程知らずにも初めて購入してしまったフェラーリ様であるから、当然だが。

348tbの最初のトラブルは、ルームミラーがポトリと落ちたことだったが、それだけで心臓が止まるかと思うほどビビッったことはすでに記した。

ルームミラーはアロンアルファで再接着すればいいことを知り、ひとつ大人の階段を上ったが、次のトラブルは真剣にショック死寸前だった。

それは、夜間、群馬県内の高速道路を走行中に発生した。

急にクルマが遅くなったのである。突然失速し力がなくなった。

これはどう考えてもエンジントラブル! フェラーリ様がエンジントラブルに見舞われた! フェラーリ初心者にとって、これほどビビる展開はない。

これがRX-7とかフェアレディZなら、JAFを呼んでなんとかしよう等思うところだが、フェラーリ様はJAFもお断りだと聞いていた。牽引できないし直せないしお手上げだと。そりゃそうだろう、なにせ天下のフェラーリ様だ。JAFごときでなんとかなったらフェラーリの名折れである。

私はウルトラビビりながらも、対応策を考えた。そして「とにかく高速を降りよう」と意思決定した。

加速力は大幅にダウンしたものの、幸いにもまだクルマは動いている。動いているうちに次のインターまでたどり着いて、高速道路上でのストップを避ける! 今考えても猛烈に適切な処置であった。

松井田インターで高速を降り、料金所でクラッチを切ると、エンジンは止まってしまったが、セルを回すとなんとか再始動可能であった。

クルマから降りた私は、まず348の様子を観察した。これまた我ながら猛烈に適切な処置であった。

アイドリング状態でもエンジンは動いているが、どうにも音がおかしい。いつもと比べて息遣いが荒く、オクターブが低く弱弱しい。なにか大きなトラブルが起きていることは間違いない。

これはひょっとして、片バンク止まっているのではないか!?  V8が直4になっているんじゃないか!?

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最終更新:7/23(日) 22:31
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