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アマゾンのホールフーズ買収は「独占」に当たらない? 反トラスト法が「何でも屋」の巨大化を加速させる

7/23(日) 12:11配信

WIRED.jp

高級自然食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」の買収計画を発表し、アマゾンは食品販売の分野でも存在感を高めようとしている。しかし、四方八方へと拡大するアマゾンを「独占ではないか」とみる声も多く聞かれるようになった。巨大化し続ける「何でも屋」(Everything Store)と、彼らが抱える独占問題について考える。

「アマゾンがもたらす未来」を理解するための7本のストーリー

米ドラマ「シリコンバレー」のエピソードのなかで、スタートアップ創業者の主人公リチャードと、投資家のひとりモニカが、高級自然食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」に似ていなくもないスーパーの店内をぶらぶらするシーンがある。

「このスーパーで自分用の買い物をしているのは、わたしひとりみたいね」と、モニカは言う。そこでカメラは、まるでゾンビのような表情で働く契約労働者たちへと切り替わる。彼らは棚から商品をピックアップしては、スマホのアプリを使って照合する単純作業を、ひたすら繰り返していた。彼らが着ているTシャツに書かれているのは、「Instacart」「Postmates」「TaskRabbit」といった配達スタートアップのロゴである。

なんとも皮肉な話だが、これが未来のシリコンヴァレーが望む光景なのである。

現実の社会は、このドラマの監督であるマイク・ジャッジが織り成すフィクションの世界へと、少しずつ近づいている。ただし、実世界ヴァージョンでは、これらの配達スタートアップがアマゾンに置き換わるのかも知れない。

アマゾンは2017年6月、ホールフーズを137憶ドル(約1兆5600億円)で買収する計画を発表した。この発表によってスタートアップの間には戦慄が走った。だが、さらなる危機に追い込まれたのは、すでに凋落が始まっている小売り業界だろう。ウォール街の投資家たちは、アマゾンのCEOであるジェフ・ベゾスの影におびえ、ウォルマートやクローガー、ターゲットといった従来の小売りチェーンの株価を暴落へと導いた。

ホールフーズの買収は、アマゾンによる市場独占の始まりのように見えた。高級食品チェーンであるホールフーズは、460カ所に店舗を構える。これまでに、ベゾスがネット通販市場を支配してきた戦略や規模の経済によって、リアル店舗のビジネスにおいても人々の生活に欠かせない存在になったらどうだろうか? しかも、誰にとっても重要である食料品の分野でそうなったら?

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最終更新:7/23(日) 12:11
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