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米国四半期決算が本格化、この銘柄はツレ高するか

7/23(日) 18:16配信

会社四季報オンライン

 世界的な金融緩和を背景に潤沢なマネーがNY株式市場に流入し、史上最高値圏で推移する米国ダウ、ナスダック、S&P500。これら主要指数の構成銘柄であり、指数寄与度の大きな米国企業は、堅調な国内景気とグローバル進出が相まって良好な決算数字を残してきた。

 下のスケジュールのとおり今週は24日のアルファベット(Google.incの持ち株会社)を皮切りに、日本の一般投資家にもなじみの深い主要企業が相次いで決算を発表する。

 最近は国内ネット証券会社を中心に「米国株」取引を個人投資家に取り次ぐサービスが盛んだ。米国株に関心のある読者は四半期決算発表スケジュールをすでに調べ上げ、個別の物色戦略を練りに練っているだろう。下記に取り上げた米国企業は、みずほ証券の投資情報誌「マーケットビュー」を参考にしたもので、同誌は「ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成」と出所を明らかにしている。確かにブルームバーグのマーケット欄には、一覧が発表日ごとにアルファベット順で掲載されている。下記に記載のない銘柄を簡単に探し出すことはできる。

 そこで今回は、米国企業の決算内容を受けてどのような日本株投資の物色戦略を打ち立てればよいかを探ってみることにした。たとえば25日に建設機械の代表格、米キャタピラーが2017年12月期の第2四半期(4~6月)決算を発表する。翌日26日の東京株式市場ではコマツ(6301)、日立建機(6305)を筆頭にクボタ(6326)、竹内製作所(6432)、加藤製作所(6390)、タダノ(6395)、無人運転システムのトプコン(7732)といった米国市場に進出する建機業界の各銘柄がツレ高かツレ安のどちからに傾くことだろう。

 こうした手口を自分なりに探り出すのが個別株物色の醍醐味であり、トランプ相場に打ち勝つ戦法として有効だろう。なお、以下に関連づけたのは、業務資本関係が密接なケースが大半だが、中には連想買い、連想売りの手口が予想される銘柄も含まれている。

 〔25日〕アップル=後述、マクドナルド⇒日本マクドナルドホールディグス(2702)、GM⇒SUBARU(7270)、デュポン⇒神東塗料(4615)、フリーポート・マクモラン⇒住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、アナダルコ・ペトロリアム⇒新日鐵住金(5401)、デンヨー(6517)〔26日〕生産トラブルで株価急落に見舞われたテスラ⇒パナソニック(6752)、ボーイング⇒住友精密工業(6355)、ジャムコ(7408)〔27日〕インテル⇒イビデン(4062)、東京エレクトロン(8035)〔28日〕メルク=日産化学工業(4021)、ペプチドリーム(4587)、対抗品でライバル関係の小野薬品工業(4528)

 8月に入っても米国の四半期決算発表は続く。ソフトバンクグループ(9984)の子会社であるスプリントは8月上旬が見込まれており、ウォーレン・バフェット氏の関連銘柄としても現地で大注目されている。

■ 台湾のアップル向け部品メーカー好調で、国内勢“特需”を期待

 さて25日はアップルが17年9月期の第3四半期(4~6月期)決算を発表する。「アップル関連銘柄」と称される部品供給を担う日本メーカーの業績を左右するので、市場関係者が大注目する。

 今秋に新型「iPhone」発売が噂される。第2四半期(1~3月期)には買い控えと見られる販売台数の予想外の減少が起きた。続く第3四半期も世界販売台数は落ち込んだ可能性があるが、もしそうならアップル関連銘柄にはマイナス影響が出るのか。そこがアップル軍団の一筋縄ではいかないところだ。

 というのも今秋に新型iPhoneが発売されるとすればすでに中国などで活発に生産されているはずで、サプライヤーの日本企業は中国や台湾、国内の各拠点で新型特需に沸いているはずだ。月次業績を発表する台湾のアップル関連銘柄はこぞって好業績で、これは新型特需の恩恵にほかならないとの分析がなされたばかりだ。

 最後にアップルが毎年公表するサプライヤーリストの2017年2月版から抜き出した国内上場企業を以下に挙げておこう。これを見ると海外生産子会社を含め日本の電子部品や化学部材の主要各社との関係がいかに密接かを理解できる。報道によるとアップル社は900社近い日本企業と年間約3兆円の直接の取引があるという。

 ■17年2月公表リスト(アルファベット順、上場企業のみサプライヤー、筆者調べ)

 アルプス電気(6770)、旭硝子(5201)、第一精工(6640)、ダイキン工業(6367)、フォスター電機(6794)、フジクラ(5803)、古河電気工業(5801)、ヒロセ電機(6806)、イビデン(4062)、日本航空電子工業(6807)、ジャパンディスプレイ(6740)、京セラ(6971)、ミネベアミツミ(6479)、村田製作所(6981)、NEC(6701)系のNECトーキン、日本特殊陶業(5334)、日本電産(6594)、日東電工(6988)、NOK(7240)、パナソニック(6752)、パイオニア(6773)系の子会社群、ローム(6963)、シャープ(6753)、ソニー(6758)、スミダコーポレーション(6817)、住友化学(4005)、住友電気工業(5802)、太陽誘電(6976)、TDK(6762)、東レ(3402)、東芝(6502)、豊田合成(7282)

 これら以外にも新型iPhone特需の恩恵を受ける日本の上場メーカーは少なくない。それらは、アップルの有力サプライヤーである鴻海精密工業やTSMC、LG電子、サムスン、SKハイニックス、インテル、TI、オン・セミコンダクターら海外勢に部品・部材を供給しているので、サプライヤーとして社名が浮上しないのだ。半導体生産工程に活用される薬品メーカなどが思い浮かぶ。「会社四季報オンライン」などを活用しながら“黒子銘柄”を掘り出しておきたい。

 (=『株式ウイークリー』編集長)

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

古庄 英一