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日本人リーダーに最も欠けている「視点」

7/23(日) 6:00配信

東洋経済オンライン

 スティーブ・ジョブズとウォルト・ディズニーは、人生の目標を明確に持った、偉大なリーダーだった。彼らの目的、熱意そしてビジョンの明快さは、周囲にも影響を与えてきた。一方、私たち一般人の多くは、仕事に意味を見いだすことに苦労している。朝起きてやらなければならないことを粛々とやるが、心ここにあらずの状態の人は少なくない。

 人生を、のどかで晴れた郊外を走る乗客ととらえる人もいれば、日陰を走り続けているバスの乗客だと考える残念な人もいる。が、こうした人生観は変えることが可能だ。

■6年間不満だらけの仕事に耐えた

 それを体現したのが、日本でエグゼクティブ・コーチとして活躍するフィリップ・グラール氏だ。ブルトン人である彼は30歳のとき、2000年に日本へ移り住んだ。西洋哲学と仏教が混在する文化に対する興味が移住するモチベーションとなった。それ以前にも、仕事を探すために、日本を13回訪れていたが、いずれのときも「日本語ができない外国人には仕事はない」と失敗に終わっていた。

 度重なる挑戦の結果、なんとか日本のあるメーカーのIT部門で働けるようになったのも束の間、その仕事はグラール氏にとって満足のできるものではなかった。もともと彼はクリエーティブな性格で、自己啓発者としてキャリアを積みたいと考えていたのだが、上司から与えられたのは設計の仕事。毎週のように上司に「この部門から異動したい。もう我慢できない」と訴え続けたものの、結局、この仕事に6年間耐えた。

 2006年にはようやく、人々を助けることを目的としたエグゼクティブ・コーチング・プロジェクト、「équilibre 」(エキリーブル、フランス語で「バランス」の意)を無資本で立ち上げることができた。

 これに先駆けグラール氏は、米カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校で、最新の自己啓発技術について学び、日本で働く一般の従業員や管理職を対象としたコーチング事業を開始した。

 が、しばらく経ってある「傾向」に気が付いた。コーチングを受けた多くの人が、「私はもう大丈夫だが、自分の上司が問題を抱えている」と言うのだ。そして、その上司をコーチングすると、今度は「自分はもう大丈夫だが、CEOが問題を抱えている」と話す。

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