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更年期に効く「和温療法」 サウナで体の奥から温める

7/24(月) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 全身を心地よく温めることで、慢性心不全を改善する「和温療法」。最近は心不全だけでなく、更年期症状など、様々な病気の症状緩和にも効果が期待できるとわかってきた。

 和温療法は、専用の乾式サウナで体をマイルドに温める温熱療法の一つ。鹿児島大学医学部の鄭(てい)忠和元教授が重症慢性心不全に対する治療法として、1989年に開発した。治療効果はすでに実証されており、「慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)」ではクラスI(有効)に位置付けられている。

 近年は心不全に限らず、様々な病気や不調にも応用されている。静風荘病院女性内科・女性外来の天野惠子医師は、7年前から更年期障害や慢性疲労症候群、線維筋痛症、パーキンソン病などの患者に和温療法を活用し、手応えを感じている。「痛みや慢性疲労、食欲不振、不眠、抑うつなどの症状が改善する例が多い。不調の原因がわからない場合でも、症状の改善が期待できる」と天野医師。大脳皮質基底核変性症で歩くのもままならなかった人が、階段をすたすたと昇降できるまでに回復した例もあるという。

■60℃のサウナで15分温める

 和温療法は専用の乾式サウナを用いて行う。高熱の蒸し風呂とは異なり、サウナの温度は60℃が基本。遠赤外線で全身をじんわり均等に温める。ここで15分間体を温めると、深部体温が0.5~1℃上昇する。サウナから出たら、すぐに毛布にくるまって横になり、30分間、保温効果を維持する。そして発汗量に見合う水分補給をしたら終了。所要時間は1時間程度だ。

 心地よく、副作用の心配もない、心身にやさしい治療法だが、体の中では大きな変化が起こっているらしい。「深部体温が上がると血流がよくなり、血管の内皮細胞から一酸化窒素(NO)が産生、それがさらに血流を促進させるとわかっている」と天野医師。ほかにも細胞を修復するヒートショックプロテインが増える、交感神経の緊張が和らぐ、リラックスできるなどの作用が報告されている。

 同院では、通院でも入院でも和温療法を受けられる。入院の目安は3週間で、この間に30回程度続ける。通院の場合は和温療法体験外来で診察を受け、その後は希望に応じて予約を入れる。費用は1回5000円(初診時は1万円、健康保険外)。全国でも和温療法に力を入れている医療機関がある。長引く不調に悩んでいる人は受けてみるといいかもしれない。

天野惠子さん 静風荘病院(埼玉県新座市)女性内科・女性外来医師。専門は循環器内科。女性医療の第一人者。千葉県衛生研究所所長、千葉県立東金病院副院長などを経て、現職。「私も更年期障害に苦しみましたが、入浴後だけは体が楽でした。その体験からも和温療法の効果を確信、いち早く導入しました」

(ライター 佐田節子)
[日経ヘルス2017年8月号の記事を再構成]

最終更新:7/24(月) 7:47
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