ここから本文です

経済封鎖でだぶついた覚醒剤が北朝鮮人民に蔓延している

7/24(月) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 北朝鮮当局が、国内に蔓延する麻薬汚染に対し、金正恩体制の維持に悪影響を及ぼしかねない、と危機感を抱いている。近年、そんな情報が北朝鮮ウォッチャーにもたらされるようになった。ジャーナリスト・城内康伸氏は、それを裏付ける驚愕の事実を掴んだ。

 * * *
 北朝鮮では今、全国の公式・非公式の市場に中国製品を中心とした様々な商品が豊富に並んでいる。あるシンクタンクの調査によると、隣接した中国の都市で調達した商品は早ければ、2日後には、北朝鮮の地方市場に届くという。

 諸外国との交流が著しく制限されるなか、北朝鮮国内の流通網の整備が進んだのか。いや、「迅速な物流には、覚醒剤が絡んでいる」とは、中国と国境を接する平安北道の貿易商の解説だ。「物品を運ぶ運転手の多くが、オルム(覚醒剤)を使っている。そうすれば、二晩程度は眠気を催さずに、目的地までまっしぐらだ」

  本気とも冗談ともとれぬ言葉だが、北朝鮮当局が違法薬物の蔓延に、業を煮やしているのは事実だ。

 筆者は、北朝鮮中西部・平安南道のある都市で昨年5月、秘密警察・国家安全保衛部(現国家保衛省)の地方組織が、違法薬物の取り締まり強化を目的に、地元住民の一部を対象に行った秘密集会の詳細な記録を入手した。そこには、麻薬犯罪の摘発事例が生々しく報告されている。

「この女は『カネは殺される覚悟で、稼がなければいけない』と抜かし、麻薬狂信者として策動して逮捕された逆賊だ」

 集会で演壇に立った地方の保衛部幹部の報告によると、「この女」とは、下宿生活をしていた元女子大学生。卒業を目前に控え、麻薬に手を染めた。

「優秀な成績で卒業したい」と勉学に励むのを見た、下宿の女主人の「この薬を鼻に当てて吸えば、不眠不休で頑張れる」との甘言につられて使い出し、常用するようになったという。

 元女子学生は、覚醒剤を1か月半使い続けていたのが発覚、退学になった。女主人は捕まったが、元女子学生はこの時はどういう訳か、逮捕を免れた。北朝鮮で横行する賄賂が効いた可能性もある。

1/2ページ