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デジタル広告の透明化に励む、アディダスの取り組み

7/24(月) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

オンラインのメディアバイイングビジネスを総合的に理解しているブランドは少ないが、スポーツ用品メーカーのアディダス(Adidas)は、3年がかりで複雑なサプライチェーンを構築したことでその域に達したと考えている。

最大の関心事は透明性

世界全体でメディア予算の半分をデジタルチャネルに投入し、プログラマティックへの注力を増すアディダスにとって、最大の関心事は透明性のないメディアチェーンから生じる無駄をなくすことだ。そのため、メディアバイイングを管理するアドテクに対し、コントロールする範囲を拡大してきた。ただし同社は、コストを低く抑えるためだけにプログラマティックを利用するのではなく、オートメイテッドバイイングを活用してメディア効果を高めている。

「業界内でアービトラージ(鞘取り)が横行している現状で、エージェンシーへ適切な支払いが出来ていない、またはエージェンシーのトレーディングデスクを使っていないといった場合ならなおさら、メディアのコストを下げるのはたやすいが、どんなインベントリー(在庫)をあてがわれることになるかは把握できない」と、アディダスのグローバルメディアディレクターを務めるサイモン・ピール氏は語る。同氏は2014年に入社し、メディアバイイング部門を経て現職に移った。

アディダスが現在提携しているアドテクの大半はデマンドサイドプラットフォーム(DSP)で、直近の契約例はチューブモーグル(TubeMogul)を買収したアドビが提供する「アドビアドバタイジングクラウド(Adobe Advertising Cloud)」だ。これはつまり、エージェンシーがバイイングを実行する点は変わらないが、アディダスはいつでもプラットフォームにアクセスできるので、出稿先などのデータを直接得られるということだ。

全員で取り組むべき問題

アディダスはまた、エージェンシーとの協力体制に透明性をもたらした。リベートを一切なくし契約を見直すことで、結果的にエージェンシーへの支払額を増やしている。

ピール氏の発言は、全米広告主協会(Association of National Advertisers[略称:ANA])が1年前、マーケターとエージェンシーとの取引から誰が利益を得ているかをめぐって問題を提起するレポートを発表して以来、多くのシニアマーケターが表明してきた意見と一致する。広告主とエージェンシーは依然として、公正な取引条件について意見が異なる。マーケティングコンサルティング企業IDコムズ(ID Comms)が102人を対象に今年実施したアンケート調査では、広告出稿の調整や透明性にもっとも影響する要因を聞かれて、広告主のバイイング担当者とマーケティング・メディア担当者が「契約条件」と答えたのに対し、エージェンシーは「業務範囲」と回答している。

「現在はまだ、エージェンシーモデルが互いの費用削減や値下げ競争を軸に構築される段階にとどまっている。費用の節約を証明し、手数料率を下げられるので、バイイング部門はそうした状況を利用していた」と、ピール氏は指摘する。「それが、エコシステム全体で不透明性を利用する動機になっている。プログラマティックや、エクスチェンジ、サプライサイドプラットフォーム(SSP)で詐欺が多い事実は、我々が自ら何を生み出してきたかを示すものだ。自己実現的予言ではいけない。業界が立ち向かい、全員で取り組む必要がある問題なのだ」。

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