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下村元文科相、闇献金の見返りで加計認可なら収賄罪の可能性も

7/24(月) 12:23配信

週刊金曜日

 加計問題からの闇献金疑惑が6月29日発売『週刊文春』で報じられた下村博文・元文部科学大臣への追及が核心に迫ってきた。同誌が追及第2弾を出した7月6日、民進党の疑惑調査チームや国対ヒアリングで加計問題が取り上げられ、「献金の見返りに働きかけたのではないか」という収賄事件の可能性が出てきたのだ。

 山井和則・同党国会対策委員長は、前日(5日)の疑惑調査チームによる日本獣医師会ヒアリングについて、次のように紹介した。「日本獣医師会は、『もともとは加計学園獣医学部新設は無理と見ていたが、下村文科大臣になって動き出し、新設の可能性が出てきた』と話していた。実際、2015年6月に政府は国家戦略特区で獣医学部新設を検討する方針を示した」。

 下村氏が文科大臣だったのは、第2次安倍政権が誕生した12年12月から15年10月までの3年弱。この在任期間中に獣医学部新設が動き出したことと、『文春』の闇献金報道を山井氏は重ね合わせた。「(『文春』の記事によると)加計学園の室長がパーティ券200万円分を持ってきた。これが加計学園からの献金だったら、法に触れる可能性があるからあえて名前を隠しているのではないか」。

 どんな法に触れるのかを明らかにしたのは、大西健介衆院議員だ。「一般論として、職務権限がある文科大臣が200万円の資金提供を受け、働きかけを行なった場合にどうなるのか。収賄罪になるのか」と聞くと、国対ヒアリングに出席していた法務官僚は刑法197条(収賄罪)を読み上げて答えた。「公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、またはその要求もしくは約束をしたとき、5年以下の懲役」。

 戦後最大の疑獄事件「ロッキード事件」では、1976年に田中角栄・元首相がワイロを受け取る一方、同社の航空機購入を働きかけたとして収賄罪容疑で逮捕されたが、もし下村氏が加計学園から献金を受けた見返りに獣医学部新設を働きかけた場合、刑法197条違反の可能性が出てくるのだ。

 こうした疑惑について下村氏は、「都議選が終わったら説明する」と明言していたが、投開票から1週間経っても実現していない(10日現在)。説明責任を果たさない姿勢に対して先の山井氏から“二枚舌批判”が飛び出した。

 下村氏は民主党政権時代の10年5月、川端達夫・文科相(当時)の事務所費不正処理疑惑を国会で追及、「会計帳簿や領収書などの証拠開示がない限り、国民の目には、川端大臣の発言についての信憑性を検証する手段がない」と迫っていた。「川端大臣は関係書類を公開して身の潔白を証明した。同じことを下村氏はすべきだ」(山井氏)。

 言行不一致なのは、安倍晋三首相も同じだ。国会閉幕直後の会見では「丁寧に説明する」と言いながら、閉会中審査の日程を外遊中に設定し、前川喜平・前文科事務次官らの参考人招致(10日)を欠席した。都議選で惨敗してもなお、口先だけの反省で乗り切れると考えているに違いないのだ。

【横浜市長選は“アベ友”審判】

 そんなアベ自民党の審判を問う大型地方選挙がある。カジノ推進で安倍首相と二人三脚を組む菅義偉官房長官(神奈川2区)の地元である「横浜市長選(7月16日告示・30日投開票)」のことだ。

 カジノ反対候補擁立に動いた江田けんじ・民進党代表代行は、加計問題とカジノ誘致を次のように重ね合わせた。「『岩盤(規制)にドリルで穴を開ける』と言って加計に落ちるように開けた。カジノ法案強行採決でも、安倍官邸と大阪維新が連携をしてドリルの穴を(二大有力候補地の)大阪と横浜だけの穴を開けようとしているのではないか」(8日の集会)。

 自公支援の林文子市長とカジノ反対派候補が激突する横浜市長選は、「岩盤規制改革の美名を借りた“アベ友ファースト”政治(菅官房長官の地元・横浜へのカジノ誘致)」イエスかノーかを問う選挙戦ともいえる。もう1枚のレッドカードを横浜でアベ自民党に突きつける結果になるか否かが注目される。

(横田一・ジャーナリスト、7月14日号)

最終更新:7/24(月) 12:23
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