ここから本文です

【Meiji.net連載コラム「保険」vol.5】長生きするほど受取り額が多くなる保険?

7/24(月) 11:00配信

Meiji.net

◇高齢化社会や少子化対策、社会保険の負担を抑える保険の登場

中林 真理子(明治大学 商学部 教授)

 保険は、時代のリスクマネジメントのニーズに合ったものが次々と考えられています。いま注目の保険のひとつが、「トンチン年金」といわれるタイプの保険です。これは、イタリアのロレンツォ・トンチが考えたといわれる保険で、加入者たちが一定期間払い込んだ保険料を原資に、その後、毎年年金が支払われるのですが、亡くなる人が出ると、その人の分の年金は生存している人たちで分けるというシステムです。

 つまり、長生きするほど受取れる保険金が増えるというわけです。これなどは、高齢化社会に合せた保険といえるかもしれません。

 自動車保険の分野では、テレマティクス保険が注目されています。これは、アクセルの踏み方、ブレーキの踏み方をはじめ、ドライブレコーダーから情報を取得し、そのドライバーの運転特性を把握し、それを基に保険料を割り引いたりする仕組みです。

 この結果、安全運転と分析されるドライバーほど、保険料が安くなります。同じように、ウェラブル端末を装着して、その人の歩数情報などを取得し、健康的な生活をしている人ほど、保険料が安くなったり、付加的なサービスを受けられる医療保険も考えられています。

 安全運転や健康的な生活であるほど事故発生確率は下がるので、保険としては合理的なシステムです。また、これによって安全運転志向、健康志向が進めば、社会保険の負担を抑えるなど、社会的にもメリットがあるので、こうした保険の傾向は世界全体の潮流になっていくものと思います。

 また、最近は不妊治療の費用を賄うための保険も注目を集めています。確かに、不妊治療の費用は数百万円かかることもあり、自治体等からの補助に加えてこうした保険も必要と考えられます。こうした保険も、少子化対策という時代のニーズに適した保険といえます。

次回は、賢い保険選びの方法について紹介します。

※取材日:2017年5月

Vol.6専門家に相談するのは勇気がいる?(7月25日公開予定)

中林 真理子(明治大学 商学部 教授)

最終更新:7/24(月) 11:00
Meiji.net

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Meiji.net

明治大学

社会問題を明治が読み解く
オピニオンは月3回更新

研究×時事問題。明治大学の教員が少子化
問題や地方創生、アベノミクスや最新の科学
技術など、タイムリーな話題を解説する、
大学が運営する新しい形の情報発信サイト。