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銀座の地価はバブルにあらず 「実需」伴う上昇続く

7/24(月) 15:04配信

日経BizGate

銀座の地価上昇要因はバブル期とは異なる

 国税庁が7月3日に公表した路線価には、興味深い内容が多かった。特に、地価水準全国トップの鳩居堂前の路線価がバブル経済期を上回ったことや、地方にも2ケタの大幅上昇となった地点が多数見られたことなどは、不動産関係者以外にも大きな話題となった。

 全国47都道府県の県庁等所在都市における最高路線価を見ると、今回の路線価では上昇が27都市(前年調査では25都市)、横ばいが16都市(同17都市)、下落が3都市(同5都市)となり、地価の上昇傾向が強まった。このデータは人口集積が大きい「県庁等所在都市」の一等地である「最高路線価」を対象としているので、地価の「二極化のプラス部分」が強く出てくる。

 地価水準の全国トップは32年連続で東京の銀座5丁目・鳩居堂前だった。その1平方メートル当たりの路線価は4,032万円(前年比+26.0%)で、上昇率も全国トップ(前年調査では上昇率2位)だった。同地点の路線価のピークは、バブル経済期の1992年に記録した3,650万円だったが、今回調査で最高価格を更新した。

 鳩居堂前の路線価が「バブル期超え」となったことから、「バブル崩壊期の地価下落が再現されるのではないか」と懸念する声が出ている。しかし、バブル経済期の不動産取引は、転売目的の「投機」が多くを占めていたのに対して、現在の銀座の地価上昇は、インバウンド需要による店舗収入の増加や、既存ビルの建て替えを中心とした再開発など、実需を踏まえた「投資」が大きな要因となっている。

 また、地価の評価方法もバブル経済期とは大きく変わった。以前は「近傍類似」の取引事例から「類推」する「取引事例比較法」という手法が中心だったが、現在は「当該の不動産」から得られる収入を基に、合理的・客観的なデータによって「算出」する「収益還元法」が主流となっている。後述するように、現在は地価が高くなり過ぎて、不動産投資の採算を確保することが困難になりつつあるので、地価の上昇率は今後縮小に転じる可能性が高い。しかし実需の裏付けがあるので、バブル崩壊期のように地価が暴落する可能性は低いと思われる。

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最終更新:7/24(月) 15:06
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