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高橋洋一 森友・加計問題はフェイクニュース

7/24(月) 12:10配信

PHP Online 衆知(Voice)

もりそば問題の発端は事務チョンボ

 森友学園問題と加計学園問題。もりそば、かけそばと永田町ではいわれている。共に、マスコミと野党の追及は不発だった。
 なぜ、真相に行き着かないのか。これはマスコミが、目の前の現象のみに注目するからだ。加計学園の前には森友学園問題があった。両者は似ていて、たしかに加計学園問題は「第二の森友学園問題」の様相を呈しているが、森友学園問題が空振りになった教訓を、野党やマスコミはまったく学んでいない。
 共に共通するのは、思い込みとベンチマークの欠如だ。
 その思い込みとは、森友学園問題では「総理の関与」で、今回の加計学園問題では「総理の意向」である。それがあるはずという前提で目の前の現象を追い続けるというのが、野党やマスコミである。
 こういうときには、別の事象の「ベンチマーク」を探すといい。これは、プロの数学者がしばしば使う方法だ。
 これまで誰も解いたことのない難問の場合、似たような構造をもった別の事象で問題を置き換える。そうすると、まったく別の事象であれば簡単に解けることがある。詳しくは省くが、300年以上、誰も解けなかった「フェルマーの最終定理」も、別のところで問題を解いて、その結果、フェルマーの最終定理が解けている。
 社会問題の真相の解明でも、同時並行的に起こっている事件がしばしば役に立つ。
 森友学園問題では、森友学園の土地ではなく、同じ一筆(所有権を示す区画単位)の東側の土地である。これは、森友学園に先行して豊中市に売却されている。そこでは、土中のゴミが発見されている。それにもかかわらず、この事実を知りうる立場のはずの財務局は、森友学園への売却では当初、その事実を相手方に伝えていない。ここが問題の本質だ。森友学園への売却が入札であれば瑕疵担保責任となったはずだ。いずれにしても、地中のゴミを伝えなかったので森友学園トラブルになって、近畿財務局は森友の意向を聞かざるをえなくなった。これが、いわゆる「値引き」の正体であるが、これをマスコミは「総理の関与」と報道したのだ。
 筆者がテレビで、本来近畿財務局は入札すべきだったと指摘したら、驚くことに財務省から放送直後にテレビ局にクレームが入った。テレビ局ではびっくりしていたが、すぐに筆者の意見は何も問題ないことを理解してもらった。ある政治家は、筆者のテレビ解説について財務省は必ずチェックしていると笑っていた。
 森友学園問題は、事の発端は近畿財務局の売却に当たっての事務チョンボ(ゴミの存在をいわなかった)であったが、籠池泰典理事長がそれに乗じて欲得に絡んで補助金不正受給をしていたために、その方向で事件が終結しようとしている。おそらく、財務省もこの情報を早くから掴んでおり、資料はなかったという徹底的な「たこつぼ作戦」で臨んだのだろう。近畿財務局の事務チョンボは人びとの記憶から消え去ろうとしている。

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