ここから本文です

ビーチバレー選手たちの悲痛な叫び。隠蔽されかけた「不祥事」の顛末

7/24(月) 17:20配信

webスポルティーバ

「ビーチバレーボールは、その程度のスポーツだと思われてしまう。これでは、子どもたちに『一緒にやろうよ!』なんて勧められない」

【写真】ビーチバレーボール界のヒロイン

“不祥事”の被害を受けた某選手は、肩を落としてうつむきながらそう語った。その表情に滲(にじ)ませていたのは、怒りよりもやるせなさだった――。

 日本バレーボール協会(JVA)は6月30日、公式サイト上に『ビーチバレーボール国際大会への出場申請漏れに関して』と題したトピックスを掲載した。それには、JVAが国際大会への出場を希望する選手のエントリー手続きを締め切り期限までに行なわず、結果として選手が大会に出場できなかったことについて、簡単な報告と謝罪が記されていた。

 世界バレーボール連盟(FIVB)が主催する『FIVBビーチバレーボール・ワールドツアー』は、賞金総額635万ドル(約7億3000万円)。年間20カ国、26都市で開催される、文字どおりの世界ツアーである。

 今回、その1大会において、JVAの軽率なミスによって選手の出場が阻まれた。エントリーのシステムが違うにせよ、極端なことを言えば、テニスの錦織圭やゴルフの松山英樹が、国内の統括組織(協会や連盟など)のミスで試合に出場できなくなったようなもの。そう考えれば、かなりの”不祥事”であり、大問題である。

 ビーチバレーボールの世界ツアーにおいて、現行のシステムでは選手らがFIVBの定める期間の1週間前までにJVAに参加申請し、その後、JVAが国内選手のエントリーを一括してFIVBに行なうことになっている。人が複数介在し、ミスも起こりうる作業ではあるのかもしれないが、関係者によれば「過去にエントリー期限までに申請を行なわなかったなんて話は聞いたことがない」という。

 では、そんなミスがなぜ起こったのか。結論を先に言えば、単純に担当者が申請をし忘れただけだった。

 選手らの告白によってわかった詳細については、以下のとおりである。

 まず、JVAのトピックスにはなぜか記されていなかったが、希望選手が出場できなくなってしまった大会は6月27日から開催されたポレッチ・メジャー(クロアチア)。ツアーの中でも最高位の5スターにランクされる重要な大会のひとつである。そのエントリー期限は、5月28日だった。

 そしてある日、申請を行なったにもかかわらず、大会のエントリーリストに自らの名前が載っていないことにひとりの選手が気づいた。そこで、JVAに確認を求めると、申請し忘れ、という事態が明るみとなった。

 ただし、その張本人となる担当者とはなかなか連絡が取れなかったそうだ。ようやくその担当者がつかまって、今回のミスについて理由を聞くと「機械のエラーでエントリーできなかった」と説明したという。

 それが、また問題だった。担当者の説明に疑念を抱いたその選手は、今度はビーチバレーボールの強化事業を担う事業副本部長に、説明を求めた。すると、単にFIVBへの申請をし忘れたことを、担当者が認めたというのだ。つまり、その担当者は当初虚偽の説明をして、自身の責任を逃れようとしたわけだ。6月2日のことだった。

 人間、誰しもミスはある。しかしそのミスを隠して、うやむやにしてしまおうとする姿勢、そうした組織の体質には問題があるのではないか。また、担当者ひとりに任せて、組織としてチェック機能が確立されていなかった点にも問題がある。

 当事者である選手が、力のない声でこう話す。

「東京五輪に向けて、今はツアーポイントをどんどん貯めないといけない。でも今季は、5スターの大会に出られるのが、ポレッチ・メジャーがおそらく最後だった。前々から計画を立てて、せっかくそこに照準を合わせてやってきたのに……」

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか