ここから本文です

B to Bテクノロジーイベント「Solution Japan 2017」で見た次世代インフラのカタチ

7/24(月) 19:10配信

@DIME

テクノロジー関連イベントには、大きく分けて2種類ある。一般向けかビジネス関係者向けか、という点だ。

最先端機器を扱う展示会などは、じつは一般公開されていない場合が多い。あくまでも法人向けの企画で、その際に会場の写真撮影は一切禁止されるということもよくある。そこに出展されるものはプロトタイプで、まだ一般公開できる段階ではないということだ。

先日ベルサール渋谷ガーデンで開催された『Solution Japan 2017』も、一般には公開されないB to B展示会である。主催者はパナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社。日本を代表するグループ企業のテクノロジーイベントだ。

今回、筆者は特別に取材許可を頂いて会場に足を運んだ。その様子を、ここで読者の皆様にお伝えしよう。

■銀行業務を遠隔通信で

2020年の東京オリンピックに向けて、今現在の日本が急ピッチで進めている大事業がふたつある。

ひとつは「社会のIoT化」、もうひとつが「インフラの点検」である。今回は「社会のIoT化」に目を向けてみよう。

IoTは「モノのインターネット」と訳されることが多いが、より正確には「事象のインターネット接続」と言うべきか。この世のあらゆる動作が、インターネットを通じて全世界に配信されるということだ。

こんなシーンを想定してみよう。筆者は静岡市在住だが、この自治体は海抜0mから3,000m級の山々まで高低差に富んでいる。だから「静岡市の市境を走破する」ということ自体が過酷なアドベンチャースポーツとして成立しているわけだが、当然ながら山間部に居を構える市民も存在する。

そうした人たちが新しく銀行口座を作るとしたら、車を動かして市街地へ出なければならない。

だがもしも、地区の公民館などに『シェアコン』が設置されていたらどうだろうか。これは金融機関等の対面相談などを遠隔で行うデバイスである。

大型液晶ディスプレイとタッチパネルを組み合わせた機器で、サインアップまで遠隔で済ませてしまおうというのがシェアコンの狙いだ。

こうしたことは、日本の隅々がオンライン接続されているからこそできることである。社会のIoT化は決して「天上の世界の話」ではなく、むしろ日に日に身近になりつつあるものなのだ。

■物流業界の技術革新

そしてIoT化が求められている分野といえば、やはり物流である。

Amazonは、日本の物流業界に「宿題」を与えた。発注・受注の面が進化を遂げても、物流システムが旧態依然であればどこかで必ず歪みが出る。それを解消する手段として、今も様々な製品が開発されている。

だが、これに関しては一般公開されていないものが多く、Solution Japanにおいても「撮影お断り」ということがたびたびあった。製品の具体的な機能などもこの記事では控えさせていただくが、たとえば荷物の再配達を減らすための製品はあらゆる企業から注目を浴びている。

また、宅配車両のナビゲーションシステムも出展されていた。これにより、荷物の即日配達を実現させるための車両手配などが可能になるというわけだ。

■「ググる」が死語になる

パナソニックブランドの最先端テクノロジーのひとつに、光IDがある。

今年に入り、『LinkRay』というシステムが首都圏各地の公共施設などで続々導入されている。これはLED光源をスマホで読み取り、その関連情報を瞬時に受信するというものだ。

この技術が確立されると、社会にどういう変化が起きるのか。もし気になる広告や商品を見つけたら、その前でスマホのカメラをかざしてみよう。すると、商品の情報がスマホに転送される。あらかじめ専用アプリをインストールしておけば、より効率的な情報取得ができるようになる。

この技術は、もしかしたら「ググる」という言葉を死語にしてしまうかもしれない。スマホカメラでその画像を読み取るだけなのだから、これからは文字入力の必要すらなくなる。

2017年は、このLinkRayの「普及元年」と表現してもいいだろう。それと同時に、スマホの使い方も大きく変化するかもしれない。技術革新はどんな形であれ、我々の生活に大きな影響を与えている。

■SNSのつぶやきが緊急情報に

そしてこのSolution Japanで最も際立った展示が、『FAST ALERT』というものだ。

たとえば、筆者が発狂して渋谷駅前でナイフを振り回したとする。まあ、そうした可能性は今後も恐らくないと思うが、ここではあくまでも仮定として。

渋谷駅前だから、当然人通りも多い。するとその場に居合わせた人の何人かが、SNSにこう書き込むはずだ。「無精髭の怪しい男がナイフを振り回している」。

現代人は、事件を目撃したら110番よりも先にSNSでつぶやく傾向があるという。ならば、そのつぶやきをビッグデータとして活用しよう。筆者がナイフを持って暴れたことを複数人が写真に撮っていれば、その画像から具体的な場所を特定する。事件発生現場が分かるというわけだ。

FAST ALERTは、SNSからの情報を集約して緊急情報を配信するサービスである。

では、ここでもうひとつ例を出そう。東京ドームの近くの建物で火災が発生し、消防隊が出動した場合。その情報を、少なくない数の人がTwitterで報告している。

だが、FAST ALERTが集めたつぶやきの中にこんなものがあった。「由伸監督、東京ドームに火消し投入も火事広がる」。もちろんこれは、プロ野球の試合で巨人がリリーフピッチャーを出したという話で、火災のことではない。FAST ALERTのビッグデータ構築は、そうした文章に類似性があるつぶやきを自動的に除外するという。

また、災害関連ツイートにはつきもののデマ情報も仕分けられる。去年の熊本地震の際、「動物園のライオンが脱走した」というツイートが被災者を混乱させた。このような悪質なデマを、添付の画像などから見破るのだ。

被災地でのデマは、人の命を脅かすものである。SNSの普及により、誰でも偽の情報を拡散できるようになった。それを阻止するためにも、FAST ALERTの本格活用は急務である。

■テクノロジーは「日進月歩」

繰り返すが、このSolution Japanは法人向けイベントである。そのため、全国周回型の催しではあるが個人の入場は原則認められていない。

だが、日本の次世代インフラストラクチャーの姿が垣間見える場でもあった。

この会場で発表された製品やシステムは、数年以内に必ずや巷にも現れるものである。現代テクノロジーの進化は、まさに日進月歩。我々はその動きを常に注視する必要がある。

さて、来年はどのような製品が発表されるのだろうか。今から楽しみだ。

取材・文/澤田真一

@DIME編集部

最終更新:7/24(月) 19:10
@DIME

記事提供社からのご案内(外部サイト)

@DIME

小学館

2018年1月号
11月16日発売

定価600円

ヒット商品総まとめ&大予測
男を格上げする傑作カバン100選
人が10倍集まるInstagram活用術