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吉岡里帆、子守唄で長瀬智也の心を溶かす 『ごめん、愛してる』キスシーンの衝撃

7/24(月) 17:00配信

リアルサウンド

 「子守唄うたってくれよ」7月23日に放送された『ごめん、愛してる』(TBS系)の第3話は、子守唄を軸に3つの愛が印象的に描かれた。主人公・律(長瀬智也)は、生まれて間もなく捨てられたことから、母の子守唄を知らない。同じように育った若菜(池脇千鶴)が、我が子の魚(大智)に子守唄を歌う姿を見て「偉いな」とつぶやく。誰に教わったわけでもなく覚えたという子守唄は、高次脳機能障害を抱える若菜にとって、できるかぎりの愛情表現なのだろう。だが、魚の年齢を考えるともはや幼すぎるものではあるが、その子守唄を受け入れる魚もまた、母である若菜への最大限の愛情なのだ。

 一方、律の実母である麗子(大竹しのぶ)も、サトル(坂口健太郎)に子守唄代わりにピアノを演奏していた。塔子(大西礼芳)とキスすることができたサトルは、すっかり舞い上がり、自分に片想いしているとも知らず凜花(吉岡里帆)を巻き込んでプロポーズ大作戦を練る浮かれよう。その心境の変化を、ピアノの音色から感じ取る麗子。しかも、自分が我が子のために弾いていたメロディーを、恋した息子が甘い音色で弾いている。複雑な心境を伺わせた。それは若菜と魚とはまた別の親離れ・子離れができない、いびつな関係を際立たせているようだった。

 その予感は的中。麗子は塔子を食事に招き、過去のゴシップを突きつけて警戒する。だが、そこへ麗子の過去を探るゴシップ記者・加賀美修平(六角精児)が現れて、形勢逆転。サトルのボディーガード兼運転手となった律は、加賀美の麗子への執拗な問い詰めに思わず手が出てしまう。自分の存在に気づいてくれない麗子を「死ぬほど後悔させてやる」と憎く思いながらも、「忘れられたらさみしい」とそばに居続けることを決めた律。憎いと思いながらも関心を持ち、固執してしまうのは、諦めきれない愛ゆえなのだろう。

 そして、この事件を機に、これまで均衡が取れているように見えた関係性が少しずつ動き出した。塔子は「サトルくんを自分のものにしたいと思うほど、好きじゃないです」とサトルに対して気持ちをハッキリと見せる。だが、今度は律に「あなたみたいに本能で生きてるタイプ、好きよ」と微笑む。今後も、塔子は兄と弟の間をかき乱していきそうだ。

 また、加賀美を暴力を振るったために勾留された律を、夕飯も食べずに待ち続ける若菜と魚。魚は、最初「帰ってこないよ」と言いながらも、夜中に律を探して家を飛び出す若菜に「アイツは帰ってくるから」となぐさめる。それは、いつの間にか母と子の精神年齢が逆転していることを示唆するやり取りだ。

 そして、サトルも「大人な塔子に振り向いてもらうには、もっと強くならないと」と、表情が変わる。これまで言いなりだった麗子に対しても「僕はお母さんが大好きだけど、人を噂や肩書きで簡単に判断するところは、好きじゃない」とキッパリ。もう子守唄を歌ってあげていた子と母ではなく、人と人として向き合う年齢になっているのだ、と告げるような口ぶりだった。

 そして凜花もまた、サトルへの想いを断ち切るべきではないかと感じ始めていた。これまで、サトルを守るべき対象として見ていた凜花。自分がいないとダメなのだという使命感で、サトルのそばにいる価値を見出していたのだ。それは、ひとつの母性に近い。だが、今回の変化を見て、自分のいる価値は失われつつあると気づいたのだ。

 時を同じくして、留置所でクビを言い渡された律は、再び麗子に捨てられたという悲しみに包まれていた。凜花はサトルを、律は麗子を、お互いに守りたいと思って動いたことが、アダとなったふたり。その心の穴を埋めるべく、律は凜花に「子守唄うたってくれよ」と甘える。

 ふたりは、相手を守ることで、自分の存在意義を確認したかった。自分がそこにいてもいい、愛されるべき存在だという確証が欲しかったのだ。律の目からつたう涙は、押し込んでいた“愛されたい“思いが、凜花の子守唄で溶け出たのだろう。「子どもじゃないんだから」と茶化す凜花も、その口をキスで塞ぐ律も、心の中は愛されたいとダダをこねる子どもなのかもしれない。

 それぞれの愛が錯綜するなか、次回予告では律の脳内にある時限爆弾が作動する。あとどのくらい生きられるのかなんて、誰にもわからない。だが、近い将来、命が尽きるのだとわかったとき、人はどんな風に愛を求めるのか。錯綜する愛憎の先に、待ち受ける律の運命から目が離せない。(佐藤結衣)

佐藤結衣

最終更新:7/24(月) 17:00
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