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「モノが売れない時代」の経営は新潟の小さな家電メーカーに学べ ツインバード工業の野水社長に聞く

7/24(月) 14:01配信

現代ビジネス

 新潟県燕市に本拠を置くツインバード工業の業績が好調だ。以前は家電製品を安価で製造・販売することを得意としていたが、現在は全社員の約25%を企画・開発部門に置き、オンリーワンの製品を続々販売。宇宙産業にまで進出する躍進を遂げている。改革を成功させたのは、創業3代目の野水重明社長(51歳)だ。

「●●だけ」の製品づくり

 【絶好調】

 市場が成熟しておらず、世の中にモノがない段階では、多くの方が「うちには電子レンジがないからほしい」といった明快なニーズをお持ちになります。当社はそれを、可能な限り良心的な価格でお届けしてきました。

 一方、市場が成熟し、モノが余り始めると、人は「自分のライフスタイルや価値観に合ったモノがほしい」と妥協せず商品を選び始めます。同じ調理家電でも「健康志向」「時間を節約できる」「おもてなし料理ができる」などニーズが細分化するのです。

 いま当社は多品種少量生産に舵を切り、世に出したオンリーワン製品の数々は売り上げ好調です。よく業績がいい理由を聞かれますが、じつは「経済の基本に則った」だけなのです。

 【「だけ」】

 例えば「ブランパン対応ホームベーカリー」。小麦の外皮「ふすま」が主原料のパンミックスをこんがり焼き上げることができるのは当社製品「だけ」。糖質が少なく栄養豊富で、当社のパンミックスと合わせ、飛ぶように売れています。

 また、「フルーツビネガーメーカー」も大人気です。通常1~3週間かけてつくる果実酢や果実酒が24時間でつくれるのは当社製品「だけ」。ほかは大人気の「セレブリフト」。顔がむくんだり、たるんだりしないように頑張っている頭の筋肉をほぐし、フェイスラインをすっきりさせる当社「だけ」の理美容製品です。

 我々は巨大な工場で同じ製品を大量生産するメーカーではありません。だからこそ、一部の人がほしい製品を少量生産することができるのです。

 ほかにも360度回転する、オブジェとしても美しい扇風機「ピルエット」や、電気式だから安全に使える「サイフォン式コーヒーメーカー」など、うち「だけ」の製品がたくさんあります。

 【時代感覚】

 斬新な製品をつくるために必要なマネジメントは「若者の積極登用」です。若い人は「人と同じことをしても意味がない」と、現代の時代感覚を本能的に知っています。

 実際に製品の多くは、入社数年目の若者がつくっています。あとは、お客様と一緒につくること。具体的にはお客様の声を社員にフィードバックし続けることです。

 人間は承認欲求が強い生き物。社員は社長に褒められるよりも、お客様に「こんなものがほしかった!」とか「もっとこうならよかった」と言われるほうが本気になります。

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最終更新:7/24(月) 14:01
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