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頭取を辞任に追い詰めた!?三菱UFJを牛耳る「影の権力者」の正体

7/24(月) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 『週刊ダイヤモンド』7月29日号の第一特集は「三井・住友・三菱・芙蓉・三和・一勧 6大企業閥の因縁」です。戦後日本の発展を支えた6大企業集団。その多くは衰退してしまい、最強の企業集団とされる三菱グループでも今、異変が起こっている。御三家の一角、三菱東京UFJ銀行の頭取が在任1年余りで異例の退任となったのだ。背景には「組織の三菱」のゆがみが生んだ「院政」の影がちらつく。

 6月末日の夕暮れに染まる東京・丸の内。皇居を一望できる三菱商事ビル21階の三菱クラブには、懇親会に出席するため、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の経営幹部が一堂に会していた。

 ただ、そこに本来いるはずの人物の姿はなかった。その人物とは、MUFG傘下で三菱グループ御三家の一角、三菱東京UFJ銀行(BTMU)の小山田隆前頭取。早くから将来の頭取と目され、昨年頭取に就任しながら、「健康上の理由」からわずか1年余りで退任した悲劇のプリンスだ。

 この退任理由を額面通りに受け取る関係者は少なく、さまざまな観測が飛び交うが、BTMU幹部はこう断言した。

 「平野さんと本店9階の板挟みで疲弊していたのは間違いない」

 「平野さん」とはMUFG社長でもある平野信行・BTMU会長のこと。では「本店9階」とは何を指すのか。

 実は、BTMU本店9階には応接室や会議室、役員食堂の他に、歴代頭取経験者の個室がある。

 小山田前頭取が退任を決めたとき、9階には5人分の個室があったとされる。

 小山田前頭取の2代前の頭取である永易克典相談役、3代前の畔柳信雄特別顧問、4代前の三木繁光特別顧問(東京三菱銀行)、5代前の岸曉特別顧問(東京三菱銀行)、7代前の若井恒雄特別顧問(三菱銀行)の5人だ。6代前の頭取はすでに鬼籍に入っている。

 この9階メンバーを中心に構成されるOB会は、銀行経営にも強い影響力を持つとされる。

 しかも特別顧問に任期はなく、“終身顧問”として、「個室」「車」「秘書」の3点が一生涯付く。「無報酬の名誉顧問とは異なり、報酬も出る。90歳を超える御大もいれば、車椅子で通勤してくる人もいる」と元BTMU役員は明かす。

 ちなみに、BTMUが誕生して以降の頭取は三菱銀行出身者が独占してきた。9階に個室を持つ特別顧問も全員が三菱銀行出身。三和銀行出身など“外様”の特別顧問は、旧東京銀行本店の日本橋別館に追いやられているというから、三菱のしたたかさには舌を巻く。

● 「三菱」の冠に固執する有力OBが 平野会長と行名変更で暗闘

 BTMU内では今、OB会を牛耳る9階の権力者と平野会長との間で暗闘が繰り広げられている。

 5月に発表されたBTMUの行名変更をめぐっては、平野会長は「MUFG銀行」にする方針だったが、「三菱」の名前を外すことにOB会が大反発。結局、「東京」を外して「三菱UFJ銀行」に変更することで落ち着いた。

 BTMUではトップ人事にもOB会の意見が反映されながら、早い時期から候補者が絞り込まれ、「頭取学」を学ばせていく仕組みが定着していた。

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