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新潟アイドルNegiccoが歌う「愛は光」がいい! 都会ぶったバンドのダサさが浮き彫りに…

7/24(月) 16:00配信

週刊SPA!

 結成15年を記念して、7月20日にベストアルバム『Negicco 2011~2017 -BEST-2』をリリースした、新潟発3人組アイドルグループのNegicco。これまでにも小西康陽、田島貴男、池田貴史(レキシ)などが楽曲を提供し、アイドルファンのみならず音楽好きからも注目を集めてきた。

※編集部注:Negiccoは2003年、新潟の名産「やわ肌ねぎ」PRのため1か月限定で結成され、その後も新潟で活動。2011年、タワーレコードのアイドル専門レーベル「T-Palette Records」に所属し、人気が全国区に。

◆Negiccoが歌う、KIRINJI堀込作曲の「愛は光」がいい!

 今回のベスト盤にはKIRINJIの堀込高樹による書き下ろし曲「愛は光」が収録されている。MVをチェックすると、楽曲、映像の質の高さの他に、ある問題を投げかけられていると感じた。

 最初に触れたいのは、堀込高樹の確かな作曲能力だ。歌い出しから中盤にかけては聴き手をなじませるように素直なコードワークに徹し、まず曲の土台を固めている。それがあるから、サビでのハーモニーの遊びが活きているのだ。

 しかも、これがNegiccoの歌と言葉の邪魔にならずに響いている点が素晴らしい。かねてからスティーリー・ダンを引き合いに出されてきた堀込だが、「愛は光」を聴いて浮かんだのはスティーブン・ビショップだ。

 加えて演奏もよく効いている。ひとつひとつのフレーズが次なる進行のヒントとして機能しており、どの楽器が何の役割を果たしているのかがリアルタイムで見えてくるのだ。これは全て同じ音域の中でベタッとした団子っぽいサウンドばかりのJポップにあって、かなりまれだと言えるだろう。

 そして、一歩引いて楽曲を引き立てるように歌うNegiccoも新鮮だ。なによりも、トーンと抑揚にクセがないのがいい。

 筆者がアイドルが苦手な理由のひとつに、鼻の奥で声をこねくり回して語尾をしゃくりあげた話し方のまま歌うというのがあるのだが、この曲でのNegiccoにはそういう不快なところがない。(他のMVやライブ動画を見ると、やっぱりちょっとアレルギーが出てしまうのだけれども)

 それはともかく、「愛は光」はマニアックで手の込んだ楽曲にもかかわらず、まるで唱歌でも歌うように、洋楽っぽさが消えているのも見逃せない。

◆”いかにも都会”なバンドのダサさが浮き彫りに…

 さて、ここからはそんな「愛は光」からの問題提起だ。昨今はシティポップブームらしく、AORだとかソウルミュージックを程良く混ぜ合わせたサウンドと、夜の都市をフィーチャーした映像で、いかにもシャレオツな雰囲気を醸し出すバンドが多い。

 しかし、よく聴いてみるとそれは上っ面だけの話で、“なんだよこれ、かえるのうたじゃん”みたいな曲だったりする。核の部分は、野暮なままなのだ。

 新潟の田舎道を自転車でのらりくらりと蛇行する「愛の光」のMVは、洗練を得ようと奮闘する不粋を映し出している風にも見える。それは、楽曲と彼女たちの歌から聞こえてくる力感のなさと共通するところでもあるだろう。

<TEXT/音楽批評・石黒隆之>

日刊SPA!

最終更新:7/24(月) 21:10
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