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【MLB】若い世代のファン獲得に待ったなし!! 迅速な試合運営に選手会も選手たちも了承へ

7/25(火) 11:00配信

週刊ベースボールONLINE

 オールスターゲーム当日のBBWAA(全米野球記者協会)ミーティング。いつものように招かれたロブ・マンフレッドMLBコミッショナーはランチ後、記者たちの質問に応じた。たくさんの議題の中、最も重要なのは何度もこのコラムで触れた、彼のトッププロジェクト、ゲームのペースアップである。若い新たな世代にプロ野球を受け入れてもらうための改革だ。

「私が野球についてどう考え、何が好きなのかは問題ではない。問題はファンが何を見たがっているか、だ。リサーチによると、ホームランは人気がある。三振もクレイトン・カーショーのような投手がどんどん取っていくのは良い。しかしながらゲームの終盤、一番盛り上がるときに、リリーフ投手が頻繁に代わり三振が続くのはどうか? 試合がいちいち止まり、打って走ってのアクションにも乏しい。それは問題ではないか」

 前回、彼がこの問題について話したのは春のキャンプ中、アリゾナのホテルだった。怒りを露わに選手会の協力がないことを批判し、17年シーズンが終わったら強権発動、新ルール強制導入も、と口にした。20秒のピッチクロック導入、ストライクゾーン変更、捕手やコーチがマウンドに行く回数の制限などである。だが、今回はずいぶん穏やかだった。選手会との交渉が良い方向に向かいつつあるのだろう。

 この改革は野球の現場に大混乱をもたらすかもしれない。だからこそ選手会の協力が不可欠なのだ。コミッショナーの後にこのミーティングに現れた選手会のトニー・クラーク代表も「話す用意がある」と明言。大多数の選手は依然ピッチクロックなどに反対だが、そうも言っていられない。「デリケートなバランスがある。今の若いファンがテレビで野球を見ようとしないのに、そのままにしていて良いのか? いかにこの産業を発展させていくか、前に進まないと」と応じる。数時間後、試合前のマーリンズ・パークのクラブハウスでは、記者たちが現場のベテラン選手に反応を聞いていた。選手は戸惑いつつも、マンフレッドが待ったなしの姿勢なのは知っているため「われわれの声にも耳を傾けてほしい」と言いながら、概ね従う考えだ(そうするしかないのが現状)。

 夏の球宴、驚いたことに中継のFOXテレビがMLBの協力を得て新たな演出をほどこしていた。1回表、打席に入る前にホセ・アルトゥーベがテレビレポーターのインタビューを受ける。試合の途中、ブライス・ハーパーとジョージ・スプリンガーがそれぞれマイクを付け、中継陣と話しながら外野を守る。イニングの始まる前に、中継レポーターのA・ロッドが内野を回り、二塁のダニエル・マーフィー、遊撃手のザック・コザートらをインタビューした。

 昨年までのように、ワールド・シリーズのホームフィールドアドバンテージがかかる、真剣勝負なら無理な企画だが、それもなくなり、堂々とショーの要素を強めていた。1年前、球宴のテレビ視聴率が5.4%と過去最低に落ち、待ったなしの危機感もあったのだろう。若い世代のファンを獲得しないといけない、メジャー・リーグは本気なのである。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images

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