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富士山頂、快適通信の舞台裏 アンテナ設置に毎夏4日

7/25(火) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 夏休みシーズンが到来しようとしている。夏休みには多くの人たちが観光地や、花火大会などさまざまなイベントに訪れ、特定のエリアに携帯電話の利用が集中する。大手携帯会社は、そうした時期に合わせて、人が多く訪れる場所へのインフラ増強対策を進めている。

 そうした夏の人気スポットの一つが富士山である。富士山は7月1日より登山ルートごとに順次山開きになり、9月10日の閉山までの間は非常に多くの登山客が訪れる。近年は世界遺産に登録されたことや、外国人観光客の増加もあって、日本人だけでなく外国人の登山客も増加。人気が一層高まりつつある。


 さらに、SNSなどに登山中や登頂後の様子などをアップロードする人も増えており、山開き期間は携帯電話の利用者が大幅に増える。そこで大手携帯会社は毎年、山開きシーズンに合わせて富士山のエリア対策を実施し、登山客が快適に携帯電話を利用できる環境の構築に力を入れているのだ。

 今回、筆者はソフトバンクから、富士山におけるネットワーク対策の説明を、現地で受ける機会を頂いたことから、実際に富士山に登って携帯会社のネットワーク対策状況を確認してみた。そのときの様子をお伝えしながら、携帯会社がどのようにして、富士山をカバーしているのかを確認してみたい。

 富士山は標高3776mと、日本で一番高い山として知られている。だがそれだけに通信機器を設置すること自体難しく、また国立公園の一部であることから、電波塔を建てたり、光ファイバーを敷設したりといったように、地上と同じ方法で電波対策をとることは難しい。では一体、携帯会社はどのような方法で富士山のエリア対策を進めているのだろうか。

■地上から電波を射出して山小屋を基地局化

 一つの方法が、レピーターと呼ばれる装置を山小屋などに設置して、地上の携帯電話基地局から発せられる電波を中継し、周辺エリアをカバーする方法である。ソフトバンクのテクノロジーユニットモバイル技術統括西日本本部東海技術統括部東海技術建築課の楠見嵩史氏によると、ソフトバンクでも富士山の一部のエリアはレピーターを使ってエリアカバーをしているそうだが、この方法には弱点もあるという。

 というのも、レピーターはあくまで地上の基地局の電波を中継して届けているにすぎない。そのためレピーターの周辺に多くの人が訪れて同時に通信すると、1つの基地局に通信が集中し、通信速度が遅くなってしまう。シーズン中は山頂に1日3000人もの人が訪れるというだけに、レピーターによる対策だけでは快適な通信環境を提供するのが難しい。

 そうしたことからソフトバンクでは、もう一つの方法によって富士山のエリア対策を進めていると、楠見氏は話す。それは「無線エントランス」を用い、富士山に携帯電話基地局を作ってしまうというものだ。

 無線エントランスとは、簡単に言ってしまえば携帯電話事業者の基幹のネットワークから基地局までをつなぐ伝送路に、光ファイバーではなく無線の電波を用いるというもの。光ファイバーと比べ通信速度や容量は落ちるが、光ファイバーを敷設できない場所にも柔軟に対応できることから、ケーブルを引くのが難しい離島のエリアカバーや、災害発生時の一時的なエリア復旧などに用いられることが多い。

 ソフトバンクでは富士山のエリア対策に当たり、5GHz帯の周波数帯を用いた無線エントランスを活用。地上に設置された電波塔から、山小屋などに設置された基地局に向けて5GHz帯の電波を射出。それを基地局側が受け、そこから携帯電話の電波を射出することにより、周辺のエリアをカバーするわけだ。

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最終更新:7/25(火) 7:47
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