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田原総一朗「世界から見放され始めたトランプ大統領の米国」〈週刊朝日〉

7/26(水) 16:00配信

AERA dot.

 トランプ政権が生まれたこの半年で、米国は大きく影響力を失ったとジャーナリストの田原総一朗氏は指摘する。

*  *  *
 7月20日で、トランプ氏が大統領に就任して半年になる。その間に、米国はどのように変わったのか。

 トランプ氏は米国第一主義を唱え、米国を世界の偉大な国にすると力説し続けた。しかし、はっきりしているのは、トランプ大統領の下で、米国が世界での影響力を大きく失いつつあることだ。

 トランプ大統領は、オバマ前大統領が実現を図ったTPPからの離脱を宣言した。実は日本はオバマ氏の米国から強く求められ、農協などの強い反対を押し切って交渉参加に合意したのであり、TPPにより米国は有利になるはずだったのである。それをトランプ氏は、事情もよくわからないまま反オバマということで離脱宣言をした。これに最もホッとしたのは中国だろう。米国が加盟したTPPが成立すると、中国が孤立する恐れがあったからである。

 米国はG7とG20という二つの首脳会議で米国以外が強く求めたにもかかわらず、環境保護に関するパリ協定からも離脱した。

 あるいはトランプ大統領は、米国が離脱すればTPPもパリ協定も成立しないと思っていたのかもしれない。だが、米国の離脱後も、国際的な枠組みは揺るがなかった。

 実は私は、トランプ大統領の離脱宣言後、11カ国でTPPを結んでも意味がないと危惧していた。日本政府も悩んだようだが、5月21日にハノイでTPP11の実現を目指す国際会議が開かれた。そしてパリ協定も、米国を除くG7、G20諸国が支える方針で一致している。

 ドイツのハンブルクでのG20首脳会議で、トランプ氏は完全に孤立してしまったのだが、彼はそれを途中で抜け出して、ロシアのプーチン大統領と2時間15分に及び会談した。だが、7月8日付のニューヨーク・タイムズは、「会談はプーチンが支配し、ロシアの心理的勝利だった」と報じている。会談後のプーチン大統領の自信満々のトランプ氏に対するほめ方を見ても、プーチン氏の圧勝だったのだろう。

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最終更新:7/26(水) 16:00
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