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家庭の修羅場を数々演じた再現女優・芳野友美が『帰宅恐怖症』を読んでみた

7/25(火) 17:00配信

文春オンライン

6月6日放送の「マツコの知らない世界」に出演して話題を呼んだ芳野友美さん。7月18日から始まったTBSドラマ「カンナさーん!」にレギュラー出演しているが、普段はバラエティ番組で夫婦げんかなど家庭のトラブルなどの再現ドラマに出演している。いわば、夫婦の修羅場を身を以て演じてきた芳野さんが、話題の新書『帰宅恐怖症』を読んで見つけた夫婦の立ち直り方とは?

◆ ◆ ◆

 再現女優の芳野友美です。再現女優とは、テレビのバラエティ番組などで、番組に寄せられた実在する方のエピソードを、ドラマ仕立てで演じる女優です。10年前から再現をやるようになり、過去300本以上のドラマに出演しました。6月に「マツコの知らない世界」に出演させていただいて再現女優の仕事をご紹介したのですが、普段は「行列のできる法律相談所」や「金スマ」といった番組に出演させていただいています。どれも実話が元になっているので、色んな夫婦の形を見て来ました。

 私は顔が濃いので、恐妻役はすごく多いです。ほとんどが、「てめー、コノヤロー」って怒っています。夫に「ウンチ」って書いたお弁当を持たせる妻もいれば、あらゆる手段を使って夫の携帯のロックを解除した妻と浮気夫の対決だったり、いつもケンカしています。もう結婚できないですね。「本当の夫婦って、こうなのかな」って思ってしまって。

 今回読ませていただいた『帰宅恐怖症』には、家にまっすぐ帰れない夫と妻の実例がたくさん描かれていますが、リアリティがありますね。私が演じるときは、お互いに言い合っているシーンが多いんですけど、この本では奥さんが強いケースが多い。相手が弱くなると確かに家に帰れなくなるだろうなと思います。そして、奥さんがムキになればなるほど……。これ、絶対に再現ドラマに使えますよ。スタッフさんに提出していいですか?

言い合っているうちはまだやり直せる。本当に冷え切ると……

 自分が似ているタイプだなと思ったのが、ディベート夫婦のまゆみさん(50代、事務職)ですね。私もまゆみさんと同じで顔が怖いので、普通にしていても怖がられるんです。テレビでいつも怒っているから、余計にそう思われるんでしょうね。ただ、ぼぉーっとしているだけなのに、「怒ってる?」って言われたり(笑)。

 そして、気持ちを伝えるのが苦手というのも同じです。

《夫から、「怖い」と言われたことがあります。自分でも、夫は私のことが怖いだろうな、と思います。

 まず私は、負けず嫌いで意地っ張りです。夫の意見に対して、私が意見を言う。たいていディベートのような反対意見です。夫がそれにカッとなり、大声で反論してくるので、私も「負けないぞ!」と応戦します。反対意見を言うのは、夫が気づかないこころを教えてあげようとか、異なる観点を探すことで夫の考えも進歩するのではないか、と思ってのことでした。

 そして、夫婦ケンカになり、口をきかなくなるのが、いつものパターンでした。長い時は、夫は1カ月以上、口をききませんし、私も意地を張って、「しゃべるもんか!」と応じていました。》

 私も、ぶっきらぼうになってしまうし、恋愛でも、「愛してる」とか、「好き」とか、あまり言わないタイプなんですよ。最近は、感謝の気持ちを伝えるとか、自分の素直な気持ちを出すように気をつけていますね。本当は平和主義で心穏やかな人間なんです。

 でも、この本を読んでいてもう一つ思ったのは、「お互いに関心があるんだな」ということです。

 再現で演じたことがあるんですが、冷え切った夫婦になると同じ家にいても、LINEでしか会話をしないんです。それに比べると、むしろ愛情を感じますね。好きすぎて、空回りして、上手くいっていないパターンがあります。まだ、やり直せる可能性があるんじゃないでしょうか。

 本の後ろのほうには帰宅恐怖症の解決法が順を追って書いてあるのですが、ある女性相談者の方のお話が印象に残りました。

《まずは自分と向き合いました。私は何がしたいのか、何を望んでいるのか、しっかり考えたのです。

 すると『なりたい自分になることだ』と気づきました。そのために一生懸命努力しました。自分の人生に責任をもてるように意識しました。誰かに幸せにしてもらうのではなく、私が私の人生を大切の思うようにしたのです。

(中略)

 旦那様にもかわいらしい笑顔をふりまくことができるようになりました。何より笑顔でいることが大切だと思えるようになりました。》

 確かに家族に対して求めることが多いと思うんですけど、まず自分じゃないかと気づけるところは、すごく良いですね。自分でも知らないうちに、自分の不満を相手に求めてしまうことってあると思うので。

 他にも様々なアドバイスを得られる本でした。お互いに少し考え方を変えるだけで、平和な家庭を築ける可能性があるのではないでしょうか。

芳野 友美

最終更新:7/25(火) 22:06
文春オンライン

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