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グループ再編とゲームエンジンの活用で、世界で唯一の「マーザ・クオリティ」を実現したい~「コンテンツ東京2017」レポート(1)

7/25(火) 19:19配信

CGWORLD.jp

ここ数年来、CG・VFXで注目を集めているゲームエンジンの活用。先鞭をつけたのがマーザ・アニメーションプラネット(以下マーザ)だ。東京・台場の国際展示場で開催された「コンテンツ東京2017」で6月28日、同社執行役員の内田治宏氏は「日本のCGスタジオがグローバルで戦うために~なぜ我々がゲームエンジンを使用するのか~」と題して登壇し、同社の戦略について披露した。

<1>国産IPなのに日本に発注できない不都合な真実

CGアニメーションスタジオながら、その源流をセガのCG映像制作部門「VE研究開発部」にたどれる同社。2005年に創業後も映画『キャプテンハーロック』やテレビシリーズ『こねこのチー ポンポンらー大冒険』、3Dホログラムイベント映像の『初音ミク「マジカルミライ 2016」』など、ゲームや遊技機向け映像制作にとどまらず、幅広い分野で映像制作を手がけてきた。

1990年代から一般的になったCG・VFXの商業利用。近年ではVR HMDの市場拡大やAR技術の活用などメディアやデバイスが多様化し、映像コンテンツ以外にもマーケティング活動や設計・開発プロセスのCG導入など、可能性はますます拡大している。同社によるとデジタル映像制作技術産業の産業規模は1500億円程度だが、グローバルでは全体で数兆円規模となり、世界の映画興行収入に並ぶという。

もっとも、状況がバラ色でないのは内田氏も認めるとおりだ。他の産業と同様、なまじ大きい国内市場に頼って成長してきた結果、弊害が大きくなってきたのだ。内田氏は「良く言われるとおり、せっかく高いクリエイティブの可能性を有しているのに、グローバル競争における環境・技術・人材格差が広がっており、ビジネスの機会損失が大きいのが事実」だという。

中でも内田氏は映像制作支援制度の国際間ギャップを上げた。現在諸外国では税額控除を通して映像制作の産業支援を進めており、20~40%の制作支援が受けられるという。これに対して日本は1%程度しかなく、「国際共同制作で、あえて日本に発注する旨味がない」(内田氏)のが事実。その結果、IPホルダーが日本でも国内のアニメスタジオに発注がためらわれる事態にも直面しているのだという。

内田氏は「支援を文化のタニマチと捉える日本社会と、産業政策ととらえる諸外国との意識のちがいが大きいのではないか」と分析する。このちがいが「日本にはユニークなクリエイティブが豊富に生まれる土壌があるが、それを大きく育てるシステムがない」という事態に繋がっているのではないかと論じた。CG・VFX分野においてもこれまでは国内市場が支えてきたが、そろそろ限界に来ているというわけだ。

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最終更新:7/25(火) 19:19
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