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きな臭い中東 倒閣運動真っ盛りの日本

7/25(火) 11:00配信

Japan In-depth

【まとめ】

・ヨルダンのイスラエル大使館で発砲事件発生。

・日本は国際情勢に関係ない獣医学部「新設」や陸自PKO部隊「日報」の議論に終始。ポピュリズムの足音。

・ロシアゲート続く。トランプ氏娘婿上院情報特別委員会で非公開で証言。



ヨルダンにあるイスラエル大使館で先週末発砲があり、ヨルダン人2人が死亡、イスラエル人1人が負傷した。17歳のヨルダン人が工具のドライバーを武器にイスラエル人警備担当者を襲ってきたという。イスラエル国内なら発砲は当然だろうが、場所はアンマンだ。ヨルダン民衆の反応が非常に気になる。

ヨルダンはヨルダン川東岸にあり、人口の過半数はパレスチナ人だが、既にイスラエルと平和条約を結んでいる。万が一、このヨルダンが不安定化すれば、地中海東岸の中東地域は大混乱になる。このような穏健でまともなアラブの国になぜ石油や天然ガスが出ないのか。アッラーは慈悲深いはずなのに。

一方、日本では国際情勢に関係のない獣医学部の「新設」や陸自PKO部隊の「日報」の議論に明け暮れている。誰もこれで良いとは思っていないだろうが、これはもう理屈ではない。政局や倒閣運動にしたい人々がいるのだろう。内政にコメントはしないが、やはり日本にもポピュリズムの足音が聞こえ始めた。



〇欧州・ロシア

24日から英米の政府関係者がイギリスEU離脱後の米英FTAについて話し合うという。翌25日に欧州委員会は、ドイツがノルドストリーム2というパイプラインでロシア天然ガスを購入する問題について議論するそうだ。これを見ていると、やはりドイツは「欧州」だが、英国は「欧州」ではないと痛感する。

米副大統領が28日からエストニア、ジョージア、モンテネグロを訪問するという。いずれも小さな国だが、ロシアとの関係では重要な役割を果たし得る国々ばかり。トランプ氏ではなく、ペンス氏のような「サプライズのない」要人を派遣して、米外交を安定化させることはとても重要だと思う。



〇東アジア・大洋州

24日に中国共産党が、孫政才・前重慶市共産党委員会書記を「重大な規律違反の疑い」で調査すると正式発表したそうだ。「重大な規律違反」とは汚職を意味するのだが、それではこの種の規律違反をしていない主要幹部が一体どこにいるのだろう。つくづく日本に生まれて良かったと思う。

27日は朝鮮戦争休戦協定の署名日であり、あれから64年経った。そう、1953年は筆者が生まれた年だから覚えやすい。その北朝鮮では26日から始める予定のビール祭りが中止されたという。昔平壌で飲んだ「大同江」ビールは実は予想以上に美味しかった。旱魃の悪影響はここまで及んでいるのか。



〇中東・アフリカ

24日にイラク外相がインドを訪問、25日にはリビア政府関係者がパリを訪問してマクロン大統領と会談するという。このところ中東では大きなニュースがない。シリア内戦はどうか、モスル陥落後のイラクはどうか、スンニーアラブ主要国の対カタル経済制裁はどうなのか。水面下で動いている兆候はないが・・・。



〇南北アメリカ

ロシアゲートの関連で、24日、トランプ氏の娘婿が米上院情報特別委員会で非公開で証言した。クシュナー氏は証言に先立ち、大統領選中から複数回、ロシア政府関係者と面会していたことを明らかにする一方、ロシアとの共謀を否定する声明を発表したそうだ。しかし、証言は宣誓なしの非公開。これでは疑いは晴れないだろう。



〇インド亜大陸

インドの安全保障担当補佐官が26-27日に中国で開かれるBRICSの安全保障担当補佐官会議に出席する可能性があるという。何が話し合われるのやら。

今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)

最終更新:7/25(火) 11:00
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