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【前泊登山のすすめ!】関東で最も高い山から数々の百名山を見渡す

7/25(火) 10:30配信

旅行読売

日光白根山(群馬県片品村、栃木県日光市)

 日光白根山は群馬と栃木の県境に位置し、標高2578メートルの関東以北最高峰。つまり、これより北や東に高い山はなく、山頂からは遠く富士山まで見渡す天上の絶景が待っているという。
 2500メートルを超える山ではあるが、山麓の丸沼高原から標高2000メートルの地点まで一気にロープウェイで行くことができると聞き、思いきって出かけてみることにした。「ロープウェイの終点から山頂までは約2~3時間で、往復では5時間~6時間はかかります。これにさらに休憩を含めると、麓に前泊し、ロープウェイの始発から動き出すのがベストです」と日光白根山ロープウェイの広報・千明靖久さん。
 山歩きに不慣れな向きは少しでも近くまで行っておくのが賢い。ロープウェイ山麓駅の目の前にあるシャレー丸沼に宿をとった。  
 東京方面からは栃木県側から入るのが便利。1日2往復のバス「日光・尾瀬かたしなエクスプレス号」なら東武日光駅から乗り換えなしで辿り着く。
 早めに宿にチェックインし、露天風呂につかると、真正面に武尊(ほたか)山が見えた。ところが、麓から日光白根山の姿を見ることはできないのだという。関東以北の最高峰でありながら日光連山にその身を隠し、中禅寺湖や戦場ヶ原からわずかに突端が見えるだけ。その雄姿を思うと、なんだかわくわくする。

山頂から360度の大パノラマを望む

 ロープウェイに乗り、標高2000メートルの山頂駅に着くと、初めて白根山が姿を現した。山腹を緑が覆い、そこから三つのピークを持つ山頂部が突き出し、荒々しい岩肌を見せる。威厳あるたたずまいに、思わず息をのんだ。
 登山ルートにトイレはないので、山頂駅の休憩所でトイレを済ませ出発する。赤い鳥居をくぐった二荒山(ふたらさん)神社で、まずは登山の安全を祈願。その先の鹿除けゲートを開くといよいよ登山道に入る。
 最初はオオシラビソの樹林の中を進むハイキングコースだ。ゆるやかな上りが続き、そこかしこに道標があるので迷うこともない。やがて大きな岩の上に地蔵が乗った大日如来を過ぎた辺りから急な上りが増え、道幅も狭くなってくる。
 七色平分岐から勾配はきついが、途中、いくつか眺望が開ける所があり、樹林の間から上州の山々や晴れた日は富士山までが見える。
 ロープウェイ山頂駅から約1時間30分。これまでで一番きつい登り道を超えると一気に視界が開け、空の色が変わった。高い木が生息できない森林限界に辿り着き、目の前に山頂が姿を現す。ここから山頂まではさらに30分。滑りやすい砂利道を慎重に進む。
 山頂からは360度遮るものがない大展望が待っていた。登山道の途中では見ることがなかった東側には中禅寺湖を従えた男体山(なんたいさん)がそびえ、直下には吸い込まれるようなエメラルドグリーン色の五色沼が見える。燧(ひうち)ヶ岳、至仏山(しぶつさん)、浅間山といった2000メートルを超える百名山の数々が、まるで青くうねる波のように幾重にも重なって見渡せる。ここでお弁当を広げる。疲れた体に染みわたるようにうまい。
 「白根山は高山植物の宝庫でもあり、シラネアオイなど山の名前を冠したものも多くあります。中でも種類が豊富なのは7月。岩場ではハクサンシャクナゲの大群落、山頂付近ではシラネニンジンやイワカガミといった小ぶりの花が見られます」と前出の千明さん。
 山頂からは弥陀ヶ池を経由し、比較的なだらかな座禅山ルートで戻った。山頂駅に隣接する「天空の足湯」で登山靴を脱ぎ、疲れを癒やす。振り返ると朝とは違う光を受けた白根山がそびえていた。

文/野水綾乃

【鉄道】東武日光線東武日光駅から季節運行路線バス日光・尾瀬かたしなエクスプレス号(1日2往復)で1時間50分、丸沼高原ロープウェー下車徒歩5分。日光湯元温泉から無料シャトルバス運行
【車】関越道沼田ICから国道120号経由37キロ。駐車場2100台

【問い合わせ】丸沼高原総合案内/電話0278・58・2211

最終更新:7/25(火) 10:30
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